村上春樹の新書、香港で「わいせつ図書」指定! 2000人余りが反対署名

Record China    2018年7月30日(月) 14時50分

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26日、仏RFIの中国語版サイトは、村上春樹の新刊「騎士団長殺し」が「わいせつ図書」に指定され、これに対し2000人以上が反対の署名をしていることを報じた。写真は「騎士団長殺し」。

2018年7月26日、仏RFIの中国語版サイトは、近年ノーベル文学賞の有力候補として常に名前が挙がる日本の著名作家・村上春樹の新刊「騎士団長殺し」が、香港で出版物の審査などを行う淫猥物品審裁処により「わいせつ図書」に指定されたことを報じた。記事によると、販売の際は本を密封した上で警告文を貼る必要があるという。この決定は香港の各業界に議論を巻き起こし、多くの出版社や団体、個人が署名を呼び掛け、抗議している。

現在69歳の村上春樹は、京都生まれで早稲田大学第一文学部を卒業した現代文学作家。その作品は日本国内で何度もベストセラーを記録し、さらに中国など海外の異なる文化背景の読者からも支持を集め、国内外の文学賞を受賞している。記事は、この度の新刊を「騎士団長殺し」というタイトルの絵画にまつわる、現実世界と「イデア・メタファーの世界」に跨る冒険物語と紹介した。

800ページを超える小説内には、主人公の不倫など性的な場面の描写も含まれ、これに対して、淫猥物品審裁処は19日、第1部「顕れるイデア編」と第2部「遷ろうメタファー編」を共に「わいせつ図書」に指定したことを発表した。香港の「わいせつ表現を含む作品を規制する条例」に基づき、18歳未満への配布・販売・レンタルなどが禁止される。

記事によると、これに反対する人や書評家は「この小説には人間の羞恥心や内心の葛藤が深く描かれており、『わいせつ』な表現は物語や人物を描写する上で重要な役割を果たしている。審査メンバーが文学的な角度からこの度の決断を下したとは思えない」と表明しているという。記事は「今回、村上春樹の新刊と同じく『わいせつ図書』に指定されたのは好色文学作品である」と伝えている。

さらに、「今のところ、少なくとも21の団体がネット上で署名を呼び掛け、香港政府に決定を取り消すよう求めており、すでに2100人余りの署名が集まっている」と報じ、香港の評論家・林兆彬氏がラジオで、淫猥物品審裁処は市民が自薦で加入する団体であることに疑問を呈し、「陪審員制度のような形で全香港市民からランダムで審査メンバーを選ぶような方式にすべきだ」と呼び掛けていることを取り上げた。(翻訳・編集/中野)

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