レンタルペットにレンタル家電…「何でもレンタル可能」な時代に突入―中国

人民網日本語版    2018年7月30日(月) 6時40分

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レンタルした服を着る。レンタル携帯電話を使う。レンタルペットを飼う。目下、「レンタル族」が新たなトレンドになっている。資料写真。

レンタルした服を着る。レンタル携帯電話を使う。レンタルペットを飼う。目下、「レンタル族」が新たなトレンドになっている。レンタルといってもこれまでのような賃貸住宅やレンタカーにとどまらず、範囲がより広く拡大し、衣類、アクセサリー、カバンからデジタル製品、家電製品、子どものおもちゃまで、さらにはグリーンの鉢植え、かわいいペットなど、「万物がレンタル可能」な時代に突入した感がある。人民日報が伝えた。

「レンタル経済」の急速な発展は「インターネットプラス」の広範囲の応用によるところが大きく、借り手と貸し手と双方の情報伝達コストが引き下げられ、信用保証、決済、物流など各段階がスムースにつながった。「レンタル経済」は急速にネットの革新(イノベーション)・起業の人気分野になったが、一連の未解決の問題も横たわる。

■「レンタル族」の中心は95後、実用性・コスパ・品質を重視

「レンタルおもちゃは新鮮だし地球に優しい」。北京市海淀区の魏妍さんはこのように話す。「うちの子は大型の自動車模型が好きだが、家はこぢんまりした2LDKなので、買うと場所を取るし、飽きて中古品として売るのも面倒くさい。でもネットのレンタルならいろいろな点で便利」ということで、魏さんはおもちゃレンタルプラットフォームでシーズン会員になり、毎回大・中・小3種類のおもちゃをレンタルしている。大は大型のラジコンカー、中はレールタイプのおもちゃ、小はバスを借りることが多い。「このプラットフォームはおもちゃをちゃんと消毒している。衛生面で問題はない」という。

河南省鄭州市の大学院生・羅傑さんはタクシーに乗るよりも、混んだ地下鉄に乗るよりも、カーシェアリングを利用したいと考える。「普通のカーシェアリングなら1キロメートル1元(約16円)、1分1角(約1.6円)で、距離と時間を合算し、1回あたりの費用は3~5元(約48~80円)ほどで、タクシーよりだいぶ安い。車は国産の新エネルギーの電気自動車(EV)が多く、大気汚染も少ない。大学の近くにカーシェアリングの営業スポットがあるので、出かける時にはカーシェアリングを選ぶようになった」という。

「モノは借りるが、借り物の暮らしはしない」。目下、「レンタル生活」を経験したことがある若者がますます増えており、レンタカーで旅行、ドローンを借りて撮影など、レンタルによって暮らしがより豊かに多彩になっている。アント・フィナンシャルのビッグデータによると、「レンタル族」の典型的ユーザー像は、95後(1995年から1999年生まれ)、消費では実用性とコストパフォーマンスと品質の高さを重視し、暮らしにスタイルを求め、健康を気にかけるというものだ。この一族にとって、レンタルは経済的で便利な消費スタイルというだけでなく、ファッションやエコロジーを追求するための一種の生き方になっているという。

艾瑞諮詢(iResearch)が発表した「2017年中国シェアリングエコノミー産業・ユーザー研究報告」によると、ユーザーが使用者として物品やサービスを他人と共有することを選ぶのは、暮らしをより健康的に、効率的にしたいからが主な原因だという。こうしたユーザーは共有とは一種エコロジーな消費であり、環境汚染を削減し、出費を節約できると同時に、個性を発揮したい欲望も満足させてくれると考える。

中国社会科学評価研究院の荊林波センター長は、「一部の消費者に消費水準には限界があるが、特定の場面では相応のブランドを求めるというニーズがあり、一連の高額商品のレンタルに一定の市場ニーズが生まれることになった」と話す。

■市場ニーズは巨大、市場環境は成熟、だが「シェアリング」と「レンタル」の一般化は避けるべき

女性向けファッションレンタルプラットフォーム「衣二三」関連部門の責任者・雷崢さんは、「海外に比べ、中国で構築されたネットショッピング消費の習慣、便利で迅速な担保なし信用保証、成熟した物流システムが、シェアリングやレンタルの発展に肥沃な土壌を提供した」と話す。

ネット技術の発展は「レンタル経済」の急速発展の土台となった。たとえばビッグデータやクラウドコンピューティングなどの技術の力を借りて、資源の調整、リアルタイム管理などの精密管理の効率が大幅に向上した。オンライン決済技術がシェアリング・レンタルの取引を手軽なものに変えた。信用システムの構築により無担保でのシェアリング・レンタルが実現し、宅配便などの物流システムの充実により物品の移動がより効率的になった。

一方で巨大な市場ニーズがあり、また一方で市場環境が相対的に成熟して、「レンタル経済」が雨後のタケノコのように次々に誕生発展した。衣類レンタルの「衣二三」、「女神派」、おもちゃレンタルの「宝貝半径」、「玩具超人」、電子製品・家電レンタルの「楽租商城」、「抖抖家居」などがあり、レンタルペットを専門に取り扱うところもある。実際、消費者によく知られたシェア自転車の「摩拝単車」、「ofo」、シェア充電器の「待ち電気」なども「レンタル経済」の構成要素だ。ネット大手が「レンタル経済」に進出し始め、淘宝(タオバオ)はレンタルサービス「淘宝租賃」を開設し、あらゆる商品をレンタルする。アント・フィナンシャルは複数のシェアリング・レンタル企業に出資し、衣類、デジタル製品、医療機器など多分野で事業を展開する。

「レンタル経済」は今後さらに大きく発展する可能性がある。艾瑞諮詢のデータでは、15年の世界のシェアリングエコノミーの規模は2519億ドル(約27兆7000億円)で、うち中国市場が33%を占めた。18年は中国の規模が2300億ドルに達して、世界の40%を占めると予想される。国家情報センターは、「今後5年間、中国のシェアリングエコノミーは毎年30%以上の速い成長ペースを維持する」と予想する。

だが「レンタル経済」が持続的に経済効果を生み出すようになるには、まだ長い道のりを歩む必要がある。現在のベンチャー企業のレンタルプラットフォームのほとんどが融資に依存した経営を行い、同質化競争が深刻だ。商業モデルは収益力を得てこそ持続可能になる。

荊氏は、「『シェアリング』や『レンタル』が一般化するのは避けなければならない。創業者は理性を保ち、この分野にわっと集まって、さっと手を引くなどということをしてはならない。市場の容量を見極め、シェアリング・レンタルにふさわしい商品を選び、収益モデルを正確に探り当てる必要がある」と注意を促す。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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