土壌汚染は推定30万カ所、市民からは「土地の利用履歴を開示せよ」―中国

Record China    2012年7月7日(土) 11時30分

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5日、中国共産党機関紙・人民日報は、土壌汚染が原因で開発されないまま遊休地になっている「ブラウンフィールド」の問題について、中国では都市部を中心に少なくとも30万カ所に上ると報じた。写真は大手鉄鋼メーカー・首都鋼鉄(首鋼)の北京工場跡地。

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2012年7月5日、中国共産党機関紙・人民日報は、土壌汚染が原因で開発されないまま遊休地になっている「ブラウンフィールド」の問題について、中国では都市部を中心に少なくとも30万カ所に上ると報じた。

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世界銀行が2010年に発表した「中国汚染土地の修復と再開発の現状に関する分析」によると、2001〜2005年、北京では計142カ所の工場が転出、ブラウンフィールド化している跡地は878万平方メートルに上る。西部の大都市、重慶市でも2002年から市街地の汚染企業が相次いで転出、その数は137社に上った。世銀は、こうした跡地の5分の1は土壌汚染が深刻だとしている。

では、中国全土の土壌汚染は一体、どれくらいの規模になるのだろうか?実は全国規模の調査は実施されたものの、その結果は公表されていない。環境汚染問題を専門に扱うウェブサイト「中国環境修復網」の高勝(ガオ・ション)氏は「正確なデータがないのであくまでも推測だが」と前置きした上で、「米国の土壌汚染が30万〜45万カ所に上ることから、中国もこれと同等かそれ以上になる」との見方を示している。

汚染物質は、重金属、揮発性有機化合物(VOC)、残留性有機汚染物質(POPs)、放射性物質の4つ。工場跡地そのものだけでなく、地下水に混じって別の場所に移動することも考えられる。

中国で土壌汚染問題が注目されるようになったのはごく最近。全国各地にブラウンフィールドが多数存在するのは事実だが、そのほとんどは何の措置も施されていない。軽工業環境保護研究所の宋研究員は「1番怖いのは土壌汚染の実態がよく分からないまま、住宅地などに転用されてしまうこと」と話す。

土壌汚染に関する情報の開示を求めるのは、今のところ関連する法律がないため、難しいという。だが、まずは現状を把握することが急務だろう。そうでなければ、対策すら立てられない。宋研究員は「市民が根気強く情報開示を求めていくことが大切」と呼び掛けている。(翻訳・編集/NN)

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