済州島に押し寄せたイエメン難民、「反移民感情の高まりが韓国でも」と海外メディア

Record China    2018年7月22日(日) 8時30分

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韓国南部の済州島に中東イエメンからの難民が押し寄せている。韓国内では反発が強まり、海外メディアは「欧州を席巻し、米国でトランプ氏を大統領に押し上げた反移民感情の高まりが韓国でも繰り返されている」と伝えている。写真は済州島。

2018年7月20日、韓国南部の済州島に押し寄せた中東イエメンからの難民。韓国内では反発が強まり、大統領府の掲示板では受け入れ拒否の請願に70万人以上の署名が集まった。海外メディアは「欧州を席巻し、米国トランプ氏を大統領に押し上げた反移民感情の高まりが韓国でも繰り返されている」と伝えている。

「韓国のハワイ」とも呼ばれ、リゾート地として日本でも人気がある済州島は、観光産業活性化のため、外国人がビザなしで30日間滞在できる制度を2002年から実施している。聯合ニュースは「今年1月から5月の間に難民申請をしたイエメン人のうち、527人がビザ免除で済州島から韓国に入国しており、16年はこの人数が10人、17年は52人だった」と報じている。

難民の増加に韓国政府は6月になって済州島へのビザなし入国を許可している国からイエメンを除外。難民が韓国本土への渡航ができないよう措置を取ったが、国内では強烈な反発起き、AFP通信によると、韓国のポータルサイト「ネイバー」に投稿された「政府は狂っているのか?やつらは私たちの娘をレイプするイスラム教徒だぞ」というコメントには、数千人が賛同を示した。

中央日報によると、ソウルでは14日、 インターネットコミュニティー「難民反対国民行動」が「イエメン難民受け入れ反対、ノービザ・難民法廃止」集会を開催。難民法と済州ノービザ制度廃止などを政府に促した。

主催団体はイエメン難民申請者らについて、「彼らは政治的迫害を避けて韓国に来た難民ではなく就業を目的とした経済的移住民だ」と指摘。「欧州の多くの国が難民を受け入れて残酷な犯罪にさらされており、被害者はほとんどが女性と子どもたちだ。われわれは難民法改正を望まない。改正案で国民を愚弄(ぐろう)し、だまさずに難民法を即時廃止せよ」などと主張しているという。

こうした背景に関してAFP通信は「人口(約5000万人)のうち外国人はわずか4%程度で、それも中国や近隣の東南アジア諸国からの人々が大半」と指摘。「韓国では難民という概念自体になじみが薄い」との見方を示している。

イエメン難民問題をめぐり、英紙「ガーディアン」は文在寅大統領の両親が朝鮮戦争当時、北朝鮮から逃れてきた避難民だったことに言及。どう対応するかに「避難民の息子が沈黙している」と皮肉っている。

同紙はイエメン難民に対して最も批判的なのは保守系のキリスト教団体で、韓国国民の49%が難民受け入れに反対し、39%が賛成しているという世論調査の結果もあると説明。一方で、世論の反発を承知で難民の宿泊料を割引したり、食料・衣類・寝具などを寄付したりする済州島の住民がいるとも紹介している。(編集/日向)

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