大学受験費用、過去35年で数万倍―中国

Record China    2012年6月10日(日) 17時46分

拡大

8日、ネット上で「大学受験費用チャート表」が話題となっている。あるネットユーザーの試算によると、1977年からの35年間で、大学受験費用は数角から1万元(約数円から12万円)以上にまで高騰した。写真は入試の休憩時間に昼食を届ける保護者ら。

(1 / 8 枚)

2012年6月8日、人民網日本語版によると、今年もまた入試シーズンとなり、ネット上では「大学受験費用チャート表」が話題となっている。あるネットユーザーの試算によると、1977年からの35年間で、大学受験費用は数角から1万元(約数円から12万円)以上にまで高騰した。別のネットユーザーは「大学受験は魯迅の小説に登場する主人公・祥林嫂のような苦労を保護者に強いる。絞り取られるだけ絞り取られるが、そうしないと親の方も心が落ち着かないのだ」とコメントしている。新華社が伝えた。

その他の写真

▽補講費、サプリメント代、住居費など、受験で出費激増

どこまで「大学受験費用」の対象とするかについては意見が分かれるところだが、保護者の出費が大幅に増加することは否定できない。

▽10万元以上の出費は当たり前

上海市徐匯区高安路街道に住む毛恵珍(マオ・フイジェン)さんは、1970年代、1980年代、2012年と3つの時代の大学入試を身近に経験した。1970年代は、「家計への負担はほとんどありませんでした。せいぜい2冊数角の古い復習用ワークブックを買ったくらいです」と話した。1980年代に入ると、毛さんの娘が大学受験期を迎えた。「この時は出費が増えました。毎月5元(約62円)、10元(約125円)の小遣いを娘に与えたほか、麦芽エキスなどの栄養補助食品も必要でした」。

毛さんの孫娘が今年、大学を受験する。受験のための出費に、彼女は泣きたくなるという。ある有名予備校で、土日を除く毎日4時間、マンツーマン指導を受け、指導料は1時間あたり190元(約2375円)かかった。毛さんは、栄養補給についても、「食卓に魚を出さないのは良くありません。ビタミンやカルシウムなども補わなければなりません。1カ月の食費が約3000元(約3万7500円)とすると、孫娘の高校3年1年間の食費は計5万元(約62万5000円)かかります」と語った。幸いにも、「学区房(学校の近くに借りる部屋)」を準備して何から何まで面倒を見る必要はなかったが、そこまですれば、受験にかかる出費が10万元(約125万円)を上回るのは当然という。

北京市第一五九中学・高等学校に通う高校3年生の楊陽(ヤン・ヤン)さんは、大学受験用健康診断を受けた後、毎日「微量栄養素を摂取できる」某有名ブランドのサプリメントを取り始めた。一瓶120錠入り、価格は約400元(約5000円)、毎日2、3錠服用している。このほか、あるブランドの牛乳も、毎日3、4パック飲んでいる。母親の楊莉(ヤン・リー)さんは、教科別に3人の家庭教師を楊陽さんにつけ、費用は毎週1400元(約1万7500円)かかる。楊莉さんはさらに、「受験用アパート」を1日288元(約3600円)で借りている。これ以外に、2日間の試験日に雨が降るかもしれないと、送迎用の輪タクも予約手配した。

楊陽さんは、「私の大学受験のために、両親は『月光族(その月の給料を全部使い果たす人々)』になってしまいました。家庭教師代、サプリメント代、受験用アパートなど、受験のための費用は1カ月1万元近くに上っています」と話した。

南昌市第二中学・高等学校の呉勤(ウー・チン)校長は、「大学受験費用と言えば、基本的には出願料など微々たるものです。しかし、補習代、サプリメント代、住居費などのプラスアルファによって出費はぐんと跳ね上がります。経済条件がごく普通の家庭でも、やはりよその家と同じように、学校の近くに2000元(約2万5000円)を出してアパートを借り、子供の勉強に付き添ってやります。それをしなければ、親は子供に申し訳なさを感じるものです」と語った。

寧夏回族自治区社会科学院文化研究所の牛智(ニウ・ジー)副所長は、「物質面で投資する背後には、保護者が受ける『精神的苦痛』があり、それは数値化できません。これではまるで、試されているのは受験生本人ではなく、親の方です」とコメントした。(編集/TF)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携