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中国報道官、「北朝鮮に安全保障を提供する準備はあるのか?」への回答で明言はせず

Record China    2018年6月21日(木) 10時40分

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は19日に今年(2018年)3度目になる中国入りをした。

中国外交部の耿爽報道官は20日の定例記者会見で出された「中国は北朝鮮に安全保障を提供する準備があるのか」との質問に対して、北朝鮮の安全問題が重要とは強調したが、自国が今後、北朝鮮の安全を保障する動きに出ることについては言及を避けた。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は19日に今年(2018年)3度目になる中国入りをした。金委員長は20日に北京市内で中国の習金平国家主席と会談。中国政府は同日中に、会談の様子を紹介する文章を発表した。

文章は、金委員長が100日内に3回訪中して習主席と対話したことについて、習主席が「中朝ハイレベル交流の新たな歴史を双方が共に切り開いた」などと高く評価したと記述。さらに、中朝の友好協力関係に新たな活力が生み出されたとして、「朝鮮半島と北東アジア地区では、必ずや平和・安定・発展・繁栄を必ずや迎えられるという見通しができた」などと述べたと紹介した。

ただし、両国協力の具体的分野や道筋については触れられていない。

外交部の同日記者会見では、「金正恩委員長の訪中期間中、中朝双方はどのような問題を議論したのか。中国側は朝鮮半島の非核化実現を支援するのか。だとしたら、具体的にはどのような形式か。たとえば、中国は北朝鮮に安全保障を提供する準備があるのか」という質問が出た。

耿報道官はまず、「中国側はすでに詳細な文章を発表している。(その文章を)詳細に見てほしい」と回答。外交部報道官が直接の言及を避けたい場合にしばしば用いる回答方法だ。

さらに、北朝鮮に対する安全保障については「中国は一貫して、半島の非核化を実現する場合には、同時に北朝鮮の合理的な安全に対する関心を重視せねばならないと主張してきた。われわれは、各方面がこのチャンスをつかみ、さらに前進し、朝鮮側の合理的な安全に対する関心の問題を解決することを望む」「中国はこの領域で、積極的かつ建設的な役割りを果たし続けていくことを望んでいる」などと述べた。

耿報道官の発言は、北朝鮮の立場に配慮する必要があるとのこれまでと同様の主張だが、自国が北朝鮮の「後ろ盾」になると明言することは避けた。

中国と北朝鮮は1961年に「中朝友好協力相互援助条約」を結んでいる。同条約には「いずれか一方の締約国がいずれかの国又は同盟国家群から武力攻撃を受けて、それにより戦争状態に陥つたとき、他方の締約国は直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える」との条文がある。つまり同条約は北朝鮮にとって、日本にとっての日米安全保障条約と同様の意義がある。

米中関係が極端に悪化した2017年には、中国国内からも「同条約は無効」などとする声が出た。中国外交部の耿報道官も同年5月2日の定例記者会見では、同条約に盛り込まれた参戦条項についての質問に対して明言を避けた。

中国の報道官が北朝鮮との条約に明記されている「義務」を認める発言を避ける背景には、口に出してしまった場合の米国などの過剰な反応を回避する思惑があると考えられる。さらに、北朝鮮の「暴発」に対する懸念が現在も払拭されていない可能性もある。(翻訳・編集/如月隼人

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