中華民国（台湾）空軍司令部は11日、中国軍機多数が同日、南北からの逆方向二手に別れて、台湾東部の太平洋を飛行したと発表した。北からの編隊は台湾南方で大陸方面に引き返し、南からの編隊は逆のコースを飛行した。空軍司令部は追跡の様子を示す画像と映像を公開した。台湾軍が中国軍機の画像などを公開するのは異例。

台湾空軍司令部によると、台湾北側からのコースでは、中国軍のH−6K（轟−6K）爆撃機が宮古海峡から太平洋に進出し、台湾本島東の太平洋上空を南下して台湾南のバシー海峡から大陸方面に引き返した。一方で、南からのコースでは、H−6K、GX−3（高新3号）電子作戦機、ロシアのTu−154を改造した電子偵察機がバシー海峡から太平洋に進出して太平洋上を北上し、宮古海峡から大陸方面に引き返した。

台湾空軍司令部が発表した写真は2枚。撮影された機種についての説明はないが、1枚は中国軍のH−6K爆撃機を台湾軍のF−16戦闘機が、もう1枚は中国軍のTu−154電子偵察機を台湾軍のF-CK-1戦闘機が追尾する様子と思われる。公開された動画には、中国軍のH−6Kが飛行する姿が写されている。中国軍機と台湾軍機はいずれの画像・動画でも、極めて接近していると思われる。

中国軍はそれ以外にも、ロシアのSu−35戦闘機、J−11（殲−11）戦闘機、KJ−2000（空警−2000）早期警戒管制機も飛行させ、合同での訓練を行った。中国大陸メディアの報道によると、Su−35は初めてバシー海峡を抜けて太平洋に進出した。ただし、Su−35、J−11、KJ−2000などが「台湾周回飛行」をしたかどうかは不明だ。

台湾軍が飛来した中国軍機の画像などを公開するのは異例。台湾空軍は、「共産党海空軍機や艦船の行動をすべて早期に全過程を掌握して警戒を行い、有効に対処し、国防の安全を確保している。国民の皆さんには安心していただくようお願いする」と表明した。（翻訳・編集/如月隼人）