村上春樹「騎士団長殺し」中国語版が初版70万部発行、南京事件の記述が注目集める―中国

人民網日本語版    2018年2月13日(火) 13時50分

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村上春樹氏の最新長編小説「騎士団長殺し」では、日本の中国侵略の歴史と南京大虐殺を認める記述があったことから、中国人読者から関心を集めていた。上海訳文出版社はすでに重版の手配をしていることを明らかにした。写真は日本版。

人気作家・村上春樹氏の最新長編小説「騎士団長殺し」では、日本の中国侵略の歴史と南京大虐殺を認める記述があったことから、中国人読者から関心を集めていた。上海訳文出版社は、同小説の中国語版の予約販売が始まった今月5日以降の反響も小さくないため、すでに重版の手配をしていることを8日、明らかにした。新華社が伝えた。

青春の思いや中産階級の心の動きを描くことを得意としている村上春樹氏には、「ノルウェイの森」や「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」といった代表作がある。2017年に発表された最新作「騎士団長殺し」は、村上氏の路線変更した作品との評価を受けている。

同小説は、36歳の肖像画専門の画家である36歳の主人公が、第二次世界大戦中に活躍した日本画家・雨田具彦の遺作である「騎士団長殺し」とタイトルの日本画に出会ったことから、ストーリーが展開していき、この絵と関係する第二次世界大戦の史実が次第に明らかになっていく。村上春樹氏は作品の中で第二次大戦中のナチスドイツによるオーストリア侵攻や地下学生組織への殺戮行為を激しく非難、さらには「盧溝橋事変」や「南京大虐殺」などの歴史的事件を取り上げている。

村上春樹氏は同小説で画家・雨田具彦の弟について特に細かな描写を行っている。若き音楽家であった彼は戦争で南京へ出征、極めて残忍な方法で中国人捕虜を殺害するよう命じられた。退役後、この時に受けた心の傷に耐えかねて、彼は自ら命を絶った。村上氏は小説を通じて戦争と人間性の凶悪さを取り上げ、戦争がもたらした心の傷は純真な心を持つ若者が抱く人生のあらゆる希望を粉々に打ち砕くことさえも可能だと訴えかけている。

上海訳文出版社文学編集室の黄主任は、「『騎士団長殺し』の中国語版は前評判がすこぶる高い。初版70万部は5日、中国国内でオンライン・オフライン同時に販売予約を開始した。中国の読者は3月10日ごろには手にできる予定だ」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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