「大人」になるのはもっと先に?「青年期を24歳まで延長すべき」との研究

人民網日本語版    2018年1月25日(木) 9時0分

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若者が教育を受ける期間がますます長くなり、結婚や出産の時期も遅くなるのに伴い、一般的な認識である「成人期」も先送りされている。

若者が教育を受ける期間がますます長くなり、結婚や出産の時期も遅くなるのに伴い、一般的な認識である「成人期」も先送りされている。BBC(英国放送協会)電子版が報じた。

オーストラリアの研究者を中心に構成された研究チームが、英医学誌「ランセット・チャイルド・アンド・アドレセント・ヘルス(The Lancet Child & Adolescent Health)」上に発表した研究報告論文では、「青年期」の定義を見直すことは、法的保障と政府の政策上、極めて重要なことだと指摘している。

一般的に青年期は脳の視床下部が下垂体と生殖腺のホルモンを盛んに分泌し始める時期に始まると認識されている。

報道では、これまで一般的な若者は、14歳前後でこのような身体の変化を経験するが、ほとんどの先進国では健康や栄養レベルの向上に伴い、若者は10歳前後で青年期を迎えるようになっているとしている。そして、それが原因で、例えば英国などの工業国家では、過去150年間にわたり、女性が初潮を迎える時期が4年も早まっており、英国人女性の約半数が、12〜13歳で初潮を経験しているとしている。

さらに、青年期が延長される背景にも身体が成長し続けることを含めた生理的な原因もあるとし、たとえば大脳は20歳前後も成長し続け、その働きがよりスピーディかつ効率的になる。また、25歳になってようやく親知らずが生えてくる人も多い。

若者の結婚や出産時期もますます遅くなっている。イギリス国家統計局の統計データによると、2013年、イングランドとウェールズの住民の初婚年齢は、男性が32.5歳、女性が30.6歳だった。この数値は、1973年に比べ、8歳ほど年齢が上がっている。

論文の主著者でメルボルン・ロイヤル・チルドレン・ホスピタル(王立小児病院)青少年健康センターのSusan Sawyer教授は、「多くの国家において、法的権利を持つ成人は18歳以上と定められているが、成人としての役割と責任を担うことが可能になる年齢はさらに遅くなっている。結婚して子供をもうけるのと、経済的に独立する時期が遅くなるということは、青年期の特徴である『パラサイト』状態の期間が延びることを意味している」とした。

また、「これらの社会的変化に対応するためには、若者を支援する期間を25歳まで延長するなど、政策調整が必要である」と指摘。

さらに、「年齢上の定義について、決定的な結論は出ないものだ。だが、我々の現在の定義では、青年期の期間があまりにも限定され過ぎている。現在の青少年の成長から判断すると、青年期を10歳から24歳までの期間と定義するのが適切だ」としている。

一方、育児社会学の専門家である英ケント大学のJan Macvarish博士は、別の見方を示している。Macvarish博士は、「生理的な成長よりも、年長の児童や若者は、社会からの期待により大きな影響を受ける」と指摘している。

Macvarish博士は、「大学生や新社会人になる20代初めの頃の若者を、むやみに幼稚であると見なすべきではない。また、自立したいという若者の欲求を『早すぎる』と退けてはならない」と主張している。(編集KM)

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