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仮想通貨ウォレットのブロックチェーンインフォによると、1月22日夜現在、ビットコイン(BTC)の時価総額が193億ドル(1ドルは約110.8円)に達し、1BTCの価格は1万ドルを超えたという。
仮想通貨ウォレットのブロックチェーンインフォによると、1月22日夜現在、ビットコイン(BTC)の時価総額が193億ドル(1ドルは約110.8円)に達し、1BTCの価格は1万ドルを超えたという。ビットコインはいかなる政府機関にも依拠しない通貨であり、今では世界で通用する通貨になった。この背後には、ブロックチェーンのもつ大きな魅力がある。今最も熱いブロックチェーンとは一体どのようなものなのか。人民日報海外版が伝えた。
▽ブロックチェーンは一種の技術
インターネットアナリストの張孝栄さんは、「最もわかりやすく言えば、ブロックチェーン技術は個々人の記帳のようなもの、あるいは分散型の台帳のようなものだ」と話す。
インターネット時代には、どのシステムも背後にデータベースを抱え、このデータベースが大きな台帳とみなされる。これまではシステムの管理者がデータベースを管理し、ユーザーの行動を記録し、記帳していた。だがブロックチェーンは「脱中心化」をモットーとし、システムのすべてのメンバーがブロックチェーンに関与するようにする。個々人は記帳するだけでなく、チェーンを通じて、完備した台帳をもつようになる。
張さんは、「ブロックチェーンは実質的には集合式の記録方法だ。その特別な点は新しい観念ややり方で一連の技術を採用して、記録した結果の真実性・信頼性を確実にしたこと、破壊はもとより、改ざんができないことにある。第1に、個々人には記録する権利があり、相互認証によって真偽を確かめることができる。第2に、個々人が記録を改ざんすることはできない、暗号方式に基づく署名があるからだ。第3に、個々人にはコピーがあるので、もしも原稿の台帳が破損しても、全体として影響は受けない。こうした方法で記録された情報はブロックと呼ばれる情報の単位を一定時間ごとに生成し、チェーンのように連結していくことからブロックチェーンと呼ばれる」と説明する。
ビットコインを代表とする各種の暗号方式デジタル通貨は元々はブロックチェーン技術の応用の一種であり、ブロックチェーンのバージョン1.0とされる。だが2014年頃、業界がブロックチェーン技術の重要な価値を認識し始めると、徐々にデジタル通貨から分かれて、デジタル通貨以外の経済社会の各分野に応用されるようになった。
▽応用分野の可能性は広大
ブロックチェーン技術は蒸気機関車、電力、インターネットに続く革命的なイノベーションとみなされる。蒸気機関車と電力が生産力を開放し、インターネットが情報伝達方式を変え、そしてブロックチェーンは構造の信頼性を支える機器として、価値の伝達方式をがらりと変える可能性がある。
たとえば金融分野では、金融機関は、とりわけ国境をまたいで海外展開する金融機関は、照合、清算、決済にかかるコストがかねてより高く、複雑な手作業のプロセスもあった。だがブロックチェーン技術にはデータの改ざんが不可能であり、追跡可能性があるという特徴が備わり、これを応用すれば金融機関の照合コストやトラブル解決にかかるコストの引き下げにプラスになり、決済業務の処理速度や処理効率が目立って上昇し、少額の越境決済が可能になる。17年12月、招商銀行は香港の永隆銀行から永隆銀行深セン支店への人民元建てポジション調整を完了した。世界初のブロックチェーン技術に基づいた同業者間の越境人民元建て清算業務となった。
また中国工業・情報化部が発表した「中国ブロックチェーン技術・応用発展白書2016」では、ブロックチェーンの応用範囲が医療・健康、教育、チャリティ・公益、社会管理などさまざまな分野に広がったとの見方を示した。文化産業の場合、コピーのコストの安さ、権利保護のコストの高さ、証拠を挙げることの難しさなどが知的財産権保護をめぐる産業のウィークポイントだった。だがブロックチェーンが登場して、文化製品の生産、伝播、取引などの記録が真実に基づく透明性の高いものになり、信頼に値し調査に耐えるものになれば、問題は一気に解決する。
張さんは、「ブロックチェーン技術はデジタル経済時代の2大問題を解決した。1つはフローの予見性、もう1つは信頼のコストがゼロであることだ。これまで実体ある紙幣の流通は目に見えなかったが、デジタル化資産の流れはすべてチェーンで確認できる」と指摘する。中国社会科学院知的財産権センターの楊延超研究員も、「ブロックチェーンの最大の優位性は匿名社会での信用の構築を本当に行えるところにあり、多くの分野に新しいチャンスをもたらす。こうして各種の革新応用が可能になる」との見方を示す。(編集KS)