中国よ、一体どれだけのインフラ施設が必要なのか―米紙

Record China    2011年10月30日(日) 5時42分

拡大

22日、中国では交通インフラが次々と建設されているが、真の必要性や効果はどうなのか?写真は重慶の橋建設現場。

(1 / 4 枚)

2011年10月22日、米紙ワシントン・ポストは「繁栄を続ける中国、一体どれだけのインフラ施設を建設したら過剰になるのか?」と題した記事を掲載し、中国では政府が巨額の経済刺激策を打ち出した08年以降、道路や高速鉄道、橋、地下鉄、ターミナルビル、空港など交通インフラが次々と建設されているが、真の必要性や効果はどうなのかと疑問を呈した。27日付で環球時報が伝えた。

その他の写真

オバマ米大統領も「世界レベルの交通システムは米国が経済超大国になった原因の1つ」とし、交通インフラ整備の重要性を語っている。しかし、交通インフラの建設ラッシュは、債務の急増や安全面、利用効率など、中国に多くの問題をもたらしている。

建設された施設は、他地区と豪華さや巨大さ、先進性などを競った結果、巨額を投じて完成したものの、地域の実情に合わず無用の長物と化しているものも多い。「ゴーストタウン」と呼ばれる内モンゴル自治区オルドス市の巨大マンション群や、ほとんど利用者がいない西部都市の空港などが典型的な例だ。

北京交通大学経済学部の趙堅(ジャオ・ジエン)教授は「発展途上国にはインフラ施設は必要だが、最新の豪華な施設は必要ない」と語り、なぜなら大多数の市民が負担しきれないからだと説明する。

中国の高速道路の延長距離は約7万4000キロメートルに達しているが、2030年までに18万キロメートルに延長する計画がある。趙教授は「高速道路使用のためには料金を支払わなければならない。道路は建設すべきだが、高速道路は建設すべきではない」と指摘する。

また、高速鉄道の建設によって、旅客や物資の輸送スピードは大幅に改善された。しかし、最も安い高速鉄道の切符の価格が、最も高い一般鉄道の価格を上回ってしまっただけでなく、高速鉄道優先のダイヤによって一般鉄道の利用が極めて不便になった。このため、多くの市民が鉄道ではなく自家用車やバスを利用している。

現在利用者がほとんどいない巨大なインフラ施設に関しては、今後の発展を見据えた将来への投資と考えることもできる。しかし、国内外の多くの経済学者は「インフラ施設への巨額の支出が中国経済の成長を維持している。しかし、最大の問題は、投資から内需主導への経済成長モデルの転換を遅らせていることだ」と指摘している。(翻訳・編集/HA)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携