温州で工場経営者が次々と夜逃げ=中国経済の不吉な前兆―英紙

Record China    2011年10月18日(火) 10時22分

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17日、英紙は「世界の工場は衰退に向かっている?」と題した記事を掲載した。写真は8日、経営者が夜逃げした工場前に座り込む元食堂従業員。「ここに残る警備員もご飯は食べるはず」と再就職へのわずかな望みを抱き座り続けている。

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2011年10月17日、英紙フィナンシャル・タイムズは「世界の工場は衰退に向かっている?」と題した記事を掲載した。環球網が伝えた。以下はその内容。

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中国東部の温州市で生産されたライターやメガネなどの製品は地球上のどこよりも多いことから、同市は長い間、国家経済のナビゲーターとされてきた。そのため、ここ数週間で数十人もの経営者が従業員の未払い賃金や膨れ上がった借金をそのままにして逃げたというニュースに対し、中国経済の不吉な前兆だと感じた人も少なくない。

中国の安価な輸出商品に対する需要減少、生産コストの上昇、持続不可能な債務負担などいくつもの要因が重なり合い、多くの中国の優秀な経営者を破たんさせている。3週間前には4億元(約48億円)を超える借金を抱えた温州の製靴工場オーナーが自殺。夜逃げした経営者は90人を超えている。

しかし、これがすぐに中国経済を崩壊させるわけではない。複数のアナリストは、中国経済は今後数カ月かけてゆっくりと成長鈍化という軌道に入り、ソフトランディングを実現すると指摘している。だが、温州で起きた出来事はこの国にとって重要な分岐点を迎えたことを示すものであることは間違いない。

「温州で起きたことは中国経済の成長モデルが間もなく終わることを意味する」と話すのはバークレイズ・キャピタルのHuang Yi-Ping(ホアン・イーピン)氏。「中国の過去30年の成功は安価な資本、安価な労働力、安価なエネルギー、安価な土地があったから。だが、これも今は深刻な不均衡と効率低下を引き起こしている」と指摘する。

世界有数の基礎インフラと国内外に張りめぐらされた既存のサプライチェーンがあるため、今後しばらくは世界の製造基地のままでいられるだろう。だが、多くの地域で最低賃金の年間上げ幅が20%を超えている。土地も徐々に足りなくなり、値段も高騰。成長を牽引してきた新工場や道路、空港などの建設投資もこれ以上は持続不可能だ。

今の状況から見て、中国経済の成長率は8%かそれを下回るだろう。これに加え、年平均インフレ率は2001年〜2010年の2%から2011年〜2015年は5%になると予測されている。こうした状況を踏まえ、中国政府は社会サービスや最低賃金の向上に努力しているが、多くのアナリストは、それよりも早急にバランスのとれた経済を再び実現させるべきだと指摘している。(翻訳・編集/NN)

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