中国は欧州の苦境に手を差し伸ばすべきでない―米メディア

Record China    2011年9月22日(木) 5時32分

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19日、米国のニュース専門放送局CNBCは、チャイナ・マーケット・リサーチ・グループの創設者ショーン・レイン会長の「なぜ中国は欧州の苦境に手を差し伸ばすべきでないと言うのか」と題した文章を紹介した。

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2011年9月19日、米国のニュース専門放送局CNBCは、チャイナ・マーケット・リサーチ・グループの創設者ショーン・レイン会長の「中国はなぜ欧州の苦境に手を差し伸ばすべきでないのか」と題した文章を紹介した。20日付で環球網が伝えた。以下はその内容。

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筆者は、様々な会議に参加する度に、いつも「中国は欧州の財政危機に手を差し伸べるのだろうか?」と聞かれる。さらに「中国はイタリア国債を購入して市場の安定を図るつもりだ」などという噂も聞く。

一部のアナリストは「中国がイタリア国債を購入して、責任ある利害関係者の態度を示すべきだ」と主張する。何故ならば、欧州危機が拡大すれば、リーマン・ショックに続く第2の世界的経済危機に陥る可能性が高いだけでなく、中国最大の輸出先である欧州が落ち込めば、中国の利益にも直接的に影響するからである。

しかし、中国に欧州を救うだけの能力があるかどうかは疑わしい。中国の政府高官は、欧州はパートナーだと話すが、具体的な救済措置については何も示していない。国内ではインフレが進み、地方政府の不良債権が積み上がっている。こうした内部からの圧力が選択肢を狭め、債券購入に対する態度を慎重にさせている。

また、中国国内では「発展途上国である中国が先進国であるイタリアを援助しなければならない理由が分からない」との声が多く聞かれる。しかも、イタリアの国民1人あたりのGDPは中国の3倍以上ある。ドイツなどが国内の反対を押し切れず、隣国を救えないのであれば、中国にとって援助は更に難しくならざるを得ない。

中国は、債券よりも製品やエネルギーを購入する可能性が高い。これは短期的には欧州の助けにはならないが、長期的に見れば、欧州の企業にとっては中国市場を開拓することにもつながる。例えば、中国のドイツに対する貿易赤字の存在は、ドイツが中国の必要なものをより多く生産しているからである。一方、米国の中国に対する貿易赤字は、米国が中国の本当に必要なものを安全やリスクを口実に輸出禁止していることにも因る。

中国は自身の内部利益に注目すると同時に、利害関係者として世界レベルの問題についても手を差し伸べる可能性がある。ただし、中国は欧州各国の債券の購入が長期的な解決につながらないことを理解している。イタリア国債の購入は、欧州の危機を救えず、危機を数カ月遅らせるだけに過ぎない可能性が高い。欧州を救えるのは、欧州だけである。

欧米各国は、経済改革を通じて中国が好むものを生産・輸出し、それにより就業機会を増やし、国民の自信を回復させるべきで、中国の援助が効果を上げるなどと夢を見ている場合ではない。(翻訳・編集/HA)

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