Record China 2011年8月8日(月) 15時50分
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「甲子園」といえば夏の高校野球大会。全国4000校もの中から郷里の代表が頂点を目指して戦い、声援を送る。勃興著しい中国では、このような国民的広がりのあるスポーツイベントは見当たらない。写真は8月7日の甲子園球場。
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日本で「甲子園」といえば夏の高校野球選手権大会。今年も予選を勝ち抜いた49校の白熱した戦いで、日本列島が熱狂している。
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この野球大会が初めて開かれたのは1915年というから、100年近くの歴史を有する。プロスポーツでもないのに5万人収容の甲子園球場が連日満員になるほどの人気ぶり。全国にテレビ中継され高い人気を誇る。節電に協力するため、決勝戦が午前中に繰り上げられたほどだ。
母校が久しぶりに甲子園に出場したので応援に行ったが、チケット売り場は朝早くから長蛇の列。入場までに1時間近くかかるほどだった。出場する学校の関係者ではない、根っからの高校野球ファンが全国から押し寄せる。福井県から来たという観客の一人は「真夏のこの大会、球場の雰囲気は最高。一度来たらやみつきになった」と日焼けした顔をほころばせた。
経済成長著しい中国では、サッカーやバスケットボールなどで全国選抜大会があるものの、このような伝統の国民的なスポーツイベントは見当たらない。東京五輪(1964年)、札幌五輪(1972年)長野五輪(1998)五輪なども、国民的な広がりのあるスポーツ大会があってこそ成功した、と言える。北京五輪(2008年)は国威発揚には役立っただろうが、その後、国民大衆にスポーツが浸透したとは言い難い。五輪時の巨大施設もほとんど活用されていないという。
中国のスポーツ大国としての次の目標はサッカー・ワールドカップの開催。中国チームの監督に欧州の有力指導者を招請しようとしているが、草の根の国民スポーツを根付かせることが先決だろう。まずサッカーで1敗も許されないトーナメント方式の大規模高校大会を開催してはどうだろうか。日本の10倍に達する多くの高校から勝ち上がった大会はさぞや迫力があり人気を呼ぶ違いない。(取材・編集SK)
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