中国ビジネスで成功するために何が必要か？デジタルマーケッティングのビルコム（東京都港区、太田滋CEO）の上海現地法人であるビルコム・チャイナのトニー・リー社長は、取材に応じ、日系企業が中国ビジネスで成功するための留意点として、「中国の消費者、生活者の視点で考え、中国人の間で好感度を上げることが重要だ」と強調した。

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日本の中国向けインターネット通販ビジネスが伸び悩んでいることについて、同社長は「インターネット通販のサイトにはきちんとした店舗と怪しい店舗が混在しており、ただ出品するだけでは顧客はアクセスしない。商品の単なる内容だけでなく商品の独自性や素晴らしさを伝える必要がある」と語った。

具体的な方策として、7億人を超える中国のインターネット・モバイル人口を相手に、Webサイトやミニブログ、中国版ツイッターを駆使した口コミ・マーケッティングなどによりブランドや商品を認識させることが可能となると述べた。インターネット通販分野は中国国内では爆発的に伸びているので将来性は大きいと語った。

また、日本企業が中国で成功するためには、「現地の事情を熟知し、人脈も豊富な中国人を積極的に登用することが重要だ」と指摘。「日系企業では中国人は昇進が難しいので2〜3年で転職してしまうケースが多い」と述べた上で、（1）中国人スタッフの育成に力を入れ、優秀な人材はトップや幹部に早く登用すること（2）パートナーとして信頼できる中国人と一体となって将来ビジョンをつくること―などを挙げた。

ビルコム・チャイナは、中国第2位のポータルサイトである「SOHU」トップページに日本商品をアピールする特設プロモーションページ「楽々日本」を開設。同時にSOHUネットワークを通じたサンプル体験談、購買体験談など口コミを誘発する仕掛けなども提供できるという。（取材・編集/SK）