すぐにイラつく「悪態文化」が中国社会に蔓延=背景に分配の不平等―中国社会学者

Record China    2011年6月29日(水) 21時9分

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27日、中国人がすぐにイライラして悪態をつくのは社会の不平等が原因―。天津・南開大学社会学部の教授が中国メディアへの寄稿でこう論じた。写真は27日、北京の地下鉄で行われた「降りる人より先に車内に乗り込まないよう」呼び掛けるキャンペーン。

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2011年6月27日、中国人がすぐにイライラして悪態をつくのは社会の不平等が原因―。天津の名門、南開大学社会学部の趙万里(ジャオ・ワンリー)教授は中国共産党機関紙・人民日報(電子版)への寄稿記事でこう論じた。以下はその概略。

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今の中国人の典型的な行動パターンをまとめれば、「すぐにイライラして悪態をつく」とするのが妥当だろう。回り道はしたくない、待ちたくない。移動するなら高速道路か高速鉄道、もしくは飛行機。結婚するなら最初から家と車を持っていることが条件。起業するなら、まずは一夜で大金持ちになることを考える。

常に効率が最優先。希望通りに物事が運ばないと、すぐにイライラする。そのイライラを人にぶつける。口汚い言葉で悪態をつく。これが今の中国社会に蔓延する「悪態文化」だ。なぜそうなってしまったのか。社会に渦巻く「負の感情」を反映したものだと多くの学者は指摘する。その原因は富の分配の不平等による貧富の差の拡大だ。

改革開放から30数年。中国の社会構造とりわけ利益構造は大きく変わった。効率優先の発展モデルが一部の人を先に豊かにさせた一方で、富を分配する制度の整備は進まない。社会の二極化が顕著になっていき、改革開放の恩恵をいつまでも享受できない一群は失望と不満を募らせていく。

中でも違法すれすれの「灰色収入」や権力とコネにより一夜にして大金持ちになっていく人たちに対して抱く不平等感は強烈だ。それに比べて自分たちは仕事も見つからず、家も買えず、病気も看てもらえず、子どもを満足に学校に通わせることもできない。積もり積もった不満が何かの拍子に爆発した時、騒乱が勃発する。

こうした事態を防ぐため、中国の社会管理改革は富の分配の不平等を抑制することから着手すべきだろう。社会を構成する1人1人が改革開放の恩恵を受けられるように。(翻訳・編集/NN)

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