<中国・珠玉の景観>墨絵の世界広がる桂林―広西

Record China    2007年1月18日(木) 1時49分

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桂林は世界的に有名な景勝の地。穏やかに流れる漓江を下ると、そそり立つ岩山が作り出す独特の風景を堪能できる。夕焼けが空を染めた後は全てがシルエットと化し、鵜飼いが灯す明かりが水面に揺れる。

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中国で水墨画のような風景が見られる代表的な場所といえば、まず第一に挙げられるのが日本人の間でも有名な桂林だろう。広西チワン族自治州の北東部に位置する桂林は、カルスト地形による巨岩・奇岩で知られる景勝の地。ここに流された文人によって、古来その美しさが歌われてきた。

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ゆるやかに流れる漓江を陽朔(ようさく)の町に向かって船で下ると、林立した巨大な岩が次々に眼前に現れる。それらの連なりが光の加減によって、墨で描いたかのように立体感をなくし、ただひとつの色に染まる。最も美しいのは、日没後の夕焼け空をバックに、川面にぽつぽつといさり火が浮ぶ幻想的な夕暮れ時だ。

世界的にその名を知られる桂林だが、不思議なことにユネスコ世界遺産には登録されていない。経済発展は遅れているが優れた観光資源を持つこの地域と、より豊かな珠江デルタを結ぶために、桂林-梧州間に全長67kmの高速道路が走っている。この高速道路は奇岩密集地帯を通り抜けるため、桂林の自然を損ねているといわれる。世界遺産の登録がされないのはこのためではないかと、一部の専門家は主張している。

<中国・珠玉の景観>シリーズでは、これからも中国の人と歴史、自然が作り出した美しい名所の写真を、説明つきでお届けしていく。

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