2011年02月4日、「あんなもん、昔から当たり前のことだったんだよ。本当に。歌舞伎の大見得をみんな堪能して見ているみたいにだまされて見て楽しんでいればいいんじゃない」反共産党のタカ派代表として中国でも紹介され不思議な人気を博する石原慎太郎東京都知事は記者会見で、大相撲八百長騒ぎについてこう語った。

【その他の写真】

プロレスだってすべてが真剣勝負のガチンコファイトではない、ある種のエンターテインメントなので、誰もいまさら「八百長だ」と鬼の首を取ったように騒ぎはしない。今回の騒ぎについて、「相撲は日本の国技だから」と言う人もいるが、私はどうもピンとこない。

役所や警察は、法律や規則に明白に違反した事実が明らかになると、それを突きつけられると対応せざるを得ないので、文科省や菅総理辺りの動きはやむを得ないだろう。不思議なのはトップニュースとして連日洪水的に報道する役所ならぬテレビや大新聞の様子だ。

ニュース判断として、大相撲の八百長というのは日本の深刻な財政問題やチュニジア、エジプトで始まったアラブ圏における民主化の動きと並ぶような重大な出来事なんだろうか。

テレビでもワイドショーや、ずっとこの問題を追及して来たような雑誌は仕方ないとして、この前の日曜にテレビのある報道番組がほとんど相撲関連ばかりだったのを見て呆れた。別にノーベル平和賞受賞を報道しない中国メディアのレベルに合わせる必要もないだろう。出演していた漫画家の黒鉄ヒロシ氏も私と同じような感想をコメントしていた。

そういえば最近日中関係に関するニュースもめっきり減った。尖閣諸島問題は収束したのだろうか。まさか北方領土をロシアの大統領が突然現地訪問して慌てたようなサプライズはないだろうが…。（文章/NK）