Record China 2010年11月16日(火) 15時6分
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15日、華字紙・中文導報の張石副編集長は「バランスを失った日本の外交、翻弄される中日関係」と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。写真は4月、浙江省から東シナ海に向けて出航した中国の巡視船。
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2010年11月15日、華字紙・中文導報の張石(ジャン・シー)副編集長は「バランスを失った日本の外交、翻弄される中日関係」と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。以下はその概略。
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13日に行われた日米首脳会談で、中国、ロシアとのいざこざを抱える菅直人首相はオバマ米大統領に対し、「米国はこれまでと変わらず支持してくれた」と感謝の意を示した。オバマ大統領も「中国は国際ルールの中で適切な言動をとることが重要だ」と述べ、日米が共同で中国とロシアを牽制した形となった。
だが、こうした菅首相のあちらを立てればこちらが立たず、といった外交姿勢により、民主党政権のバランスを欠いた外交術が再び露呈することとなる。実は冷戦終結後の日本は3つの外交術を上手く使い分けてきた。▽親米一辺倒、中国やロシアは相手にしない▽アジア主義、中国を始めとする近隣国と安定した関係を築く▽地政学的外交、ロシアの態度がどうであろうと1番近い隣国として仲良くし、中国を牽制する―というものだ。
だが、小泉純一郎政権当時、「アジア主義」の提唱者は安倍晋三氏を中心とした勢力に叩きつぶされ再起不能となり、「地政学的外交」の推進者も鈴木宗男氏が2002年にあっせん収賄罪で起訴された後は勢いを失った。これに加え、首相の靖国参拝で中韓との関係は一気に悪化。日本の外交は「親米一辺倒」となった。しかし、当時の小泉首相は政治家としてのバランス感覚に優れていたため、中韓とも「政冷経熱」を維持することが出来た。
この後、民主党の小沢一郎氏は日米中の「正三角形論」を展開する。鳩山由紀夫氏が首相に就くと「アジア主義」と「地政学的外交」が復活。「東アジア共同体」構想を提唱しながら、祖父・鳩山一郎氏の縁でロシアとの関係改善も進んだ。だが、菅政権になると「地政学的外交」は完全に機能消失。ロシアは北方領土問題で強気に出るようになり、小沢氏の「正三角形論」も鳩山氏の「東アジア共同体」もいつの間にか消え去った。
民主党政権になってからの日本の外交はドタバタの状態が続いている。中国の唐家[王旋](とう・かせん)元外交部長が最近訪日し、前原誠司外相と仙谷由人官房長官のほか自民党幹部とも会談したが、「今の日本外交の中心人物は誰なのか」と首をひねっていた。今の日本は各大臣の言うこともバラバラ。これでは外交に一貫性がないと思われても仕方ない。中国側も「訳が分からない」とさじを投げた状態だ。そのため、大揺れの両国関係はしばらく続くと筆者はみている。(翻訳・編集/NN)
●張石(ジャン・シー)
日本華字紙「中文導報」副編集長、記者。在日中国人や日中関係などについての記事を多く発表している。著書に小説「東京傷逝」「三姐弟」など。
※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。
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