抗生物質の濫用、医療費の50%を占める=衛生部調査―中国

Record China    2010年11月10日(水) 15時3分

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8日、抗生物質の多くが効力を持たないNDM-1耐性菌の感染例が10月末、国内で発見されたことを重く見て、中国衛生部が調査を行っている。資料写真。

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2010年11月8日、北京紙・京華時報によると、抗生物質の多くが効力を持たないNDM-1耐性菌の感染例が10月末、国内で発見されたことを重く見て、中国衛生部が調査を行っている。

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NDM-1感染は世界的に増加しているが、衛生部の調べによれば、国内の感染を加速させている原因のひとつは、抗生物質の濫用。抗生物質を“万能薬”だと考える患者が多く、習慣的に服用することで細菌が次第に耐性をつけ、何種類もの抗生物質を服用せざるを得なくなるケースが多々発生していると指摘する。

また医療機関側でも、抗生物質不要のケースにこれを処方することが多い。風邪による発熱でしばしば処方される抗生物質だが、ある専門家によると、風邪の9割はウイルス性のものであり、細菌に作用する抗生物質ではまったく効果を示さない。しかし、薬の処方による増益や、製薬メーカーからのキックバックを目当てに、抗生物質をやたらに勧める医療機関の現状がある。患者が支出する医療費の約50%が抗生物質に関連するとも言われる。また、多くの薬局で医師の処方なしに抗生物質を含む抗細菌薬が販売され、消費者が容易に入手できるといった実情も。複数の医薬関連機関による調査では、79.4%の家庭に抗菌薬が常備され、風邪などを引いた際に75.4%が自己判断で服用している。

また、行政による管理が甘い点も指摘されている。使用量が増えれば、抗生物質に対する細菌の耐性も高まることから、行政上の管理体制の強化も今後不可欠になるとみられている。(翻訳・編集/岡田)

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