「メイドインチャイナ」の危機!物価の上昇が労働コストを押し上げる―中国

Record China    2010年6月1日(火) 6時50分

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5月31日、珠江デルタで出稼ぎ労働者の賃金問題などの社会的矛盾が噴出している。中国が低コストの「世界の工場」でいられる時代は終わりを告げようとしている。写真は広東省仏山市の金属雑貨加工工場。

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2010年5月31日、広州日報によると、珠江デルタで出稼ぎ労働者の賃金問題などの社会的矛盾が噴出している。中国はいつまで低コストの「世界の工場」であり続けることができるのか。

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記事によると、広東省東莞市のある電子部品工場では、一般作業員の給与が、月に29日間働き121時間の残業をしても、手取りで642元(約8600円)に過ぎないという。また、華南農業大学の羅明忠(ルオ・ミンジョン)教授によると、珠江デルタの製造業における作業員の平均作業時間は1日10時間以上で、経営者と労働者がそれぞれ考える給与の「必要額」に開きがありすぎるという。

羅教授は、93年から07年の中国における労働所得のGDPに占める割合の推移を示すデータを紹介、それによると93年の49.49%から07年の39.74%にまで減少している。同教授は、それと比べて過去22年間に資本報酬の占める割合は2割も増加しており、中国の経済成長による富の増大は給与所得に反映されていないとも指摘した。物価の上昇と生活コストの上昇に給与所得が追いついていない構図だ。

そんな中、多くの工場が慢性の人手不足に悩む状況が生じている。中国の貿易額のうち加工貿易高が占める割合は約50%だが、受託加工の場合は利益が非常に薄く、競争も激しいため、給与の引き上げも難しいのが現実だ。加工工場が受け取る利益は平均で全体の5%ほどに過ぎないという。記事は、中国が低い労働コストで世界の工場でいられる時代も終わりを告げようとしていると指摘した。(翻訳・編集/津野尾)

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