中国の盗作文化が新たな経済成長モデルの構築を阻んでいる―米誌

Record China    2010年5月31日(月) 17時38分

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26日、米誌は「盗作文化が中国の革新と経済のさらなる成長を脅かしている」と題した記事を掲載した。写真は中国大百科全書。

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2010年5月26日、米誌フォーブスは「盗作文化が中国の革新と経済のさらなる成長を脅かしている」と題した記事を掲載した。30日付で環球時報が伝えた。以下はその概略。

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巨額の投資と安い労働力に頼った中国経済は現在、イノベーションや設計、高付加価値を中心とした新たな発展モデルへの転換を図ろうと模索している。その中核を担うのが大学のはずだが、中国の高等教育には盗作や学術的な信用性の欠如という問題が蔓延しており、目的達成に大きな困難をもたらしている。

例えば、英文の論文を書かせた場合、中国人学生の多くは他人が書いた中国語の資料を翻訳しただけのものか、オンラインのフリー百科事典「ウィキペディア」をコピーして貼り付けただけのものを提出する。これは盗作行為で退学処分を受けるリスクがあることを学生たちが知っていたとしても、誰にもこの悪習を断ち切ることはできない。中国経済がなかなか新たな段階へと転換できずにいるのは、こうした風潮が大きく影響しているといっても過言ではない。

中国の盗作や知的財産権の保護、「調和のとれた社会」の理念は、互いに複雑に絡み合った関係だと言える。中国社会に深く根ざした集団意識と、知的財産権の保護(=個の意識)は相反しているのだ。強烈な集団意識が提唱する安定と調和は、裏を返せば「個」を埋もれさせるもの。このような環境で、誰かが所有権の帰属を主張し、その対価を求めても、白い目で見られるだけだろう。

中国の学生は暗記した内容しか論文に書けない。自分なりの考えや検証の結果を結論に反映させることが出来ないのだ。大学も「なぜそうなるのか」を自分で考えさせようとしない。学生たちも「集団意識」を保つため、個人的な意見や疑問は心の奥に押し込んでしまう。集団意識のもと、個人の所有権は全く尊重されないため、学生は「自ら探究すること」を無駄な努力と見なすようになった。

中国の経済成長が次なる段階に進むには、学生が創造する力を奨励、保護する体制を整えなければ、その道のりは険しいものになるだろう。(翻訳・編集/NN)

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