<海賊版>業界に激震!米マイクロソフトがネットカフェを告訴―中国

Record China    2010年5月13日(木) 12時59分

拡大

12日、米マイクロソフトが、中国・広東省東莞市のあるネットカフェを相手取って訴えた裁判が開廷した。写真は08年、マイクロソフトの海賊版対策アップデートで壁紙が黒くなったパソコン。

(1 / 4 枚)

2010年5月12日、米マイクロソフトが、中国・広東省東莞市のあるネットカフェを相手取って訴えた裁判が開廷した。海賊版ソフトウェア使用の賠償を求めるもので、今後、中国の「海賊版取り締まり戦争」は新たなピークを迎えるものと予想される。中国新聞網が伝えた。

その他の写真

マイクロソフトは東莞市内のネットカフェ26店を調査。海賊版のマイクロソフト製品が使われている証拠を大量に収集し、弁護士による警告を送った。昨年4月にも警告しており、東莞市インターネットサービス業界協会と共同で「ネットカフェ業界におけるマイクロソフト製品正規版化統一購入プラン」を発表している。

同プランで提案された価格によると、200台のパソコンを備える中規模ネットカフェの場合、WindowsXPPro、サーバー用OS、オフィス製品の全てのライセンス獲得には約87万元(約1190万円)が必要になる。しかし経営者の多くは「受け入れられないコストだ」として導入を拒否、裁判に持ち込まれることとなった。

業界関係者は、今回の訴訟でネットカフェ側が敗訴すれば、業界全体に大きな影響を与えると分析している。他のネットカフェも賠償を求められれば、東莞市内のネットカフェ1056店舗全体の賠償金は最低でも1億元(約13億6000万円)を超える見通し。4分の1の店舗が負担に耐えられず、倒産に追い込まれるという。

マイクロソフトのネットカフェに対する動きは東莞市にとどまるものではない。今年4月末には、雲南省のネットカフェの大部分および同省昆明市内のネットカフェ200店以上と、優遇価格での正規版ウインドウズ販売に合意している。

「正規版を利用したくないわけではありません。ただ代価が大きすぎるのです」と、ネットカフェ業界に詳しい趙福軍(ジャオ・フージュン)氏は話す。ネットカフェが莫大な利益を上げていたのは過去のこと。すでに利益が下降し、一部では赤字になっているという。また金融危機以来、出稼ぎ労働者の数が減り、ネットカフェの主要な利用者が減少しているという背景もある。

先日発表された「2009年中国ソフトウェア海賊版使用率調査報告」によると、海賊版ソフトウェアの使用率は45%と、先進国の水準に接近している。趙氏は「版権保護はネットカフェ経営者の懐を直撃するもの。現在の厳しい状況では、厳格すぎる保護は業界全体を滅ぼしかねません」と懸念している。(翻訳・編集/KT)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携