Record China 2010年4月23日(金) 17時7分
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時々、田舎の小さな村に遊びに行くと、地元の子供たちに絵を教える機会がある。しかし、中国の子どもたちは「習ったことのない」モチーフは一切描こうとしない。写真は江蘇省南京市の幼稚園。
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時々、田舎の小さな村に遊びに行く。絵が得意なのでよく子供に絵を描いてあげたり、地元民の似顔絵を描いたりしている。
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そうやって、だんだん仲良くなっていくと、5歳くらいの子供がやってきて「絵の描き方を教えて」と、かわいらしい申し出をしてくれる。それからその子供は、「金魚の描き方は習ったから」などと言いつつ、とても上手に「金魚」の絵を描いてアピールする。何か別の絵を描かせようとすると、「それは習っていないから描けない」と言って、描こうとしないことがよくある。描くのは、「習ったことがある」モチーフのみだ。
普通、5歳くらいの子供ならお母さんの似顔絵などを描いてキャッキャと遊んでいるものだが、中国の子供は、「その絵はまだ習っていないから」と頑なに拒絶する。私の描く絵は率先して真似するのだが…。すごく、すご〜く、不思議だ。
中国の子供たちは、自由にのびのびと絵を描かせてもらったことが無いのだろうか。こちらの親子を見ていると、「うちの子は絵を描くのが大好き!絵の教室に通わせて、能力を伸ばしてあげましょう!」と、親は率先して子どもを絵の教室に入れる。講師のほうは、子供の絵を伸ばさなければならないので、手っ取り早い“成果”を出すために、「こう描くほうが上手に見えるから、こう描け!」と、一から百までを教えこむ。モンペア(モンスターペアレンツ:教育機関に理不尽な要求をつきつける保護者)の中国人に「子供の絵が上達した」と納得させるために、講師は子どもたちの個性をつぶしてまで“技術屋”を育てるのだ。己の保身のために。しかし個性とは、「自分で考えて自分で描ける」ということではないのか?
それと同様のことが、あらゆる教育機関で行われている。国だってその教育方法は“よろしくない”と分かっているはずだ。かといって、「自分の頭で考える賢明な市民」を育成してしまえば、自身の足元をすくわれる可能性があるので、先手必勝で手を打っているのだろう。その辺を改めれば、この国が抱える様々な問題は一挙に解決しそうなものだが、それは難しい注文だろうか…。(25歳女性/中国在住7年/自由業)
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