バブル経済がはじけて20年、日本国民は失った自信を探している―中国メディア

Record China    2010年3月19日(金) 12時48分

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18日、バブル経済終焉時に生まれた日本の子供たちは不景気の中で育ち、金融危機の真っ只中で成人。さらに厳しい経済状況下で就職活動を行わねばならない「不運な世代」だ。写真は銀座。

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2010年3月18日、上海の東方早報は「日本のバブル経済破綻から20年、国民は失った自信を探している」という特集記事を掲載した。

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記事は自民党の野田毅衆議院議員の発言を紹介。同氏は今年成人を迎える「平成元年世代」を指して、「彼らが生まれた時期の日本は株価と不動産価格がダブルで暴落。小学2年生のころに山一證券が廃業し、高学年時には構造改革で終身雇用や年功序列といった日本特有の伝統的な制度がなくなり、成人となる時期に『日本の翼』と呼ばれていたJALが破綻。トヨタ自動車は品質問題で空前の危機を迎えている」として「彼らは希望のない混沌とした時代を生きてきた」と表現した。

さらに野田氏は「平成生まれの若者はすでに老後の不安を抱えている」と指摘する。「日本人としての自信や誇りを抱くには明日への希望が必要」と話すが、「その希望が見えないのが今の日本の現状だ」と嘆く。

また、山室信一京都大学政治思想史教授は「バブル崩壊後、日本人の欲望が明らかに減少した」と話す。バブル期の日本人は物欲にまみれていたが、現在では完全に購買欲を失っているという。その代わりに今の日本人は精神的充足感を求めており、伝統的な家族観や共同生活を重んじる社会観が復活。「どうすれば本当の幸せを手に入れられるかを、国民が考えるようになった。その日本に再びバブルが訪れることはない」と山室教授は断言する。

日本在住の中国人ジャーナリスト徐静波(シュー・ジンポー)氏は、日本人と中国人の心情を比較し、「最大の違いは危機感の有無」とした。同氏はまた、日本の平成生まれ(89年〜)と中国の「90後(90年代生まれ)」を比較し、「肉を食べて育った世代がスープしか食べられなくなったら“やりきれない”と感じる。逆にスープを食べて育った世代が肉を食べられるようになったら“自分は幸運だ”と感じる」とも形容した。バブル後の苦い経験によって、「明日はない」と感じている日本人。「好景気の下で生まれ育った中国の若者よりも、今の日本の若者のほうが堅実」と、同氏は指摘している。(翻訳・編集/本郷)

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