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デジタル時代をいち早く踏み出した感のある編集者兼記者カメラマンの張濤。しかし、大自然を捉えたその作品群は、写真が小さな光の粒子の集まりであることを感じさせてくれるようなザラつきや色彩のにじみをはらんでいる。
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中国初のデジタルカメラによる撮影コンテストで1等賞を獲得するなど、デジタル時代をいち早く踏み出した感のある編集者兼記者カメラマンの張濤(ジャン・タオ)。しかし、「大地の歌」をテーマとし、大自然を捉えたその作品群は、写真が小さな光の粒子の集まりであることを感じさせてくれるようなザラつきや色彩のにじみをはらみ、手触りのある作風となっている。
【その他の写真】
内モンゴルの[土覇]上草原に魅せられて毎夏通い詰めているという張濤。ごくまれにしか姿を見せない霧を捉えるのがとくに至上の喜びだという。確かに彼の作品には、ヴェールをかけたように大地を包み、山裾の稜線をぼやかす霧がしばしば用いられている。それが大地の力強さに優美さを与え、ふわりと軽やかな作品に仕上げている。(文/山上仁奈)
●張濤(ジャン・タオ)
編集者兼記者カメラマン。1952年、山東省煙台市に生まれ、後に遼寧省丹東市に移り住む。作品はオーストリア、マカオ、中国平遥の写真展で入選しているほか、中国で開催された第1回全国デジタル写真展では1等賞を獲得。代表作に「大地の歌」「漓江の漁火」「浄土」など。
※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品など様々なジャンルの作品をご紹介していきます。