<レコチャ広場>エコカー競争、日本の優位はぬか喜び?EVで中国の潜在力を侮るな

Record China    2009年11月5日(木) 11時14分

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4日、レコードチャイナ・ライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、エコカー化が加速する自動車産業の主導的地位を巡って、日本が中国との競争に苦戦する可能性もある、と指摘した。写真は中国で初めて設置された自動車充電スタンド。

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2009年11月4日、レコードチャイナ・ライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、エコカー化が加速する自動車産業の主導的地位を巡って、日本は中国との競争に苦戦する可能性もある、と予測した。

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以下は同ブログから。

日本ではトヨタのハイブリッド車(HV)・プリウスが5月18日の発売以来、5か月連続で新車販売台数のトップを走っているという。エコカー減税(環境性能に優れた自動車に対する自動車重量税・自動車取得税の特例措置)の後押しもあって、プリウスは売れに売れている。重量税と取得税が免除または軽減される同減税政策により、軽自動車の購入を考えている消費者も、より「買い得感」のあるハイブリッド車に流れていく傾向があるという。

すでに米国を抜いて自動車販売台数世界一となっている中国では、ハイブリッド車は売れていない。中国新聞社の報道によると、今年1〜4月に中国で売れたプリウスは50台のみ。ホンダのシビックハイブリッドは4か月でわずか1台しか売れなかったという。

この状況を見て、「やはり日本は環境意識も技術も最先端を行っている」とニヤりとする日本人も多いかもしれない。

中国でのプリウスの販売価格は日本円に換算して約350〜400万円と日本よりかなり割高だ。シビックハイブリッドも360万円を超えている。これだけのお金があれば、高級車が買えてしまう。税制上のハイブリッド車に対する優遇政策もなきに等しい。中国人がハイブリッド車を買わないのは、消費者として正常な行動だと思う。30年乗ってやっと元が取れるような車に誰が投資するだろうか。

日本でハイブリッド車が売れるのは政府による政策によるところが大きい。もちろん国民の環境意識は20年前と比較すれば大いに向上している。しかし、日本人が環境意識に優れているからプリウスが売れるということにはならない。確かに、CO2排出量25%削減を世界に宣言した民主党を選挙で選んだことは、結果的に日本人の環境意識の高さを前面に出すことにつながった。これは評価すべきだろう。

世界各地で行われるモーターショーの流れからも、エコカーの最先端が電気自動車(EV)であることは明らかだ。コストをクリアすれば、ハイブリッドやプラグイン・ハイブリッドの存在意味をほとんどなくしてしまう商品になる可能性が高い。来年には一般消費者向けに三菱自動車が「i―MiVE(アイミーブ)」を、日産自動車も「リーフ」を販売する。やはり日本企業が先を行っているのだろうか。

しかし、単純にそうは言い切れない。米投資家のウォーレン・バフェット氏が出資した中国のBYD比亜迪)自動車は、EV分野でのフォルクスワーゲンとの提携を発表している。BYDはもともと電池メーカーで、現在でもリチウムイオンバッテリーの生産量が世界3位、携帯電話用リチウムイオン電池の生産は世界1位を誇る。アメリカもドイツも、この中国の電池メーカーの価値を認めているわけだ。

現状では確かに電池メーカーを含む日本企業が、世界の一歩先を行っているかもしれない。しかし電気自動車は、ガソリンエンジン車のようには、長年蓄積した技術力が致命的な品質の差を生むことはない。異業種メーカーの新規参入がしやすいと言われる所以だ。

やはり、各国政府の政策と、電池メーカーを巻き込んだ世界の自動車産業のパワーバランスがその命運を左右することになるだろう。

中国と米国が手を結べば、市場に覇権を確立し、文字通り「G2」(電気自動車2大先進国)になる可能性も否定できない。日本はもっと危機感をもつべきだ。救いは、CO2排出量25%削減を宣言した鳩山民主党を日本人が選んだことだ。これが日本の自動車産業を、ハイブリッドからEVへと大きく牽引していくことを願いたい。

ガソリンエンジン車の時代の終わりは、私たちの想像以上に早くやって来るだろう。「EVは運転していてつまらない」と言ってガソリンエンジン車にこだわる消費者が存在しつづけるだろうが、「オートマ革命」により99%がオートマチック車になった今、そんな言葉も滑稽に聞こえる。インターネットの普及しかり、デジカメによるフィルムカメラ淘汰しかり、この流れはもう誰にも止められない。

■「全人類の中国分析2」は中国ニュースを材料に、情報を正しく解読することの大切さを伝える、あるレコードチャイナ・ライターのブログ。Livedoor Blogに掲載。

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