人民網日本語版 2018年1月6日(土) 5時20分
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17年末、スズキ、スバル、トヨタグループのダイハツ工業、日野自動車がトヨタの主導する電気自動車の新会社に参加することを決定。すでに参加しているマツダ、デンソーとともに7メーカーによる連盟が立ち上がった。資料写真。
2017年の年末、日本ではスズキ自動車、スバル、トヨタグループのダイハツ工業、日野自動車の自動車4メーカーが、トヨタの主導する電気自動車(EV)開発の新会社に参加することを決定した。すでに参加しているマツダ、デンソーとともに7メーカーによる連盟が立ち上がり、知的財産権を共有し、EV基礎技術の構築を加速するとしている。
ここ数カ月の間に、トヨタはEVへのモデル転換の歩みを明らかに加速させてきた。まず2030年前後にグループの世界販売量におけるEVの割合を現在の約15%前後から50%に引き上げると宣言し、30年までに車載電池の開発に1兆5000億元を投入するとした。続いてパナソニックと提携し、EV電池事業の共同開発に乗り出した。
世界自動車産業のリーダーの一角であるトヨタは、これまでEVに対し消極的な態度を取り、ハイブリッドカー(HV)と水素エネルギー車の開発に主に力を注いできた。このたびEVに向かって大きく前進したことには、2つの原因があるとみられている。1つはライバルの独フォルクスワーゲン(VW)グループが「排ガス不正問題」の後、EVの開発を加速させ、25年までに80車種を打ち出すとしたことだ。もう1つは世界的に自動車の環境保護規制が強化されていることだ。英国は40年にガソリン車の販売を全面的に禁止すると発表。世界最大の自動車市場である中国もEVの販売比率を引き上げるとともに、ガソリン車の販売禁止が議事日程に上がる見込みだ。
トヨタがこれまでEVに熱心でなかったのは、車載電池の技術というボトルネックがあったからだ。現行の液体電池は安全性とエネルギーの密度で長距離走行のニーズに対応できない。そこでこれからは電池技術で飛躍を遂げた者が、EV市場のカギを握るとみられる。
トヨタが選んだパートナーのパナソニックは、電池開発でトップメーカーとしての優位性を備え、米国テスラに電池を提供するサプライヤーでもある。パナソニックの津賀一宏社長はこのほど、「トヨタと協力して次世代の全固体電池を開発する。5〜10年で全固体電池への移行が完了する見込みだ」と述べた。
全固体電池はプラス極、マイナス極、電解質がすべて固体で、液漏れの問題がなく、安全性が高い。数分もあれば充電が完了し、現在主流のリチウムイオン電池の数十分に比べ、充電時間が大幅に短縮される。電池の容量も大きくなり、1回の充電で走行できる距離も長くなる。
日本の自動車産業のシニア・コンサルタントによると、「EV戦略はトヨタや日本の自動車メーカーにとって大きな挑戦だ。従来のガソリン車が2万点ほどの部品を必要とするのに対し、EVは1万点ほどで足り、運営モデルも情報技術(IT)産業や電子産業に近く、部品のインターフェースが標準化されていて、つなげばすぐに利用できる。EVのこうした特性は、日本メーカーが得意としてきたたくさんの部品メーカーが協力し合うこれまでの優位性を打ち破ることになる。また、電池がEVのコストの60%前後を占めるため、日本メーカーの既存のバリューチェーンは大幅な調整を迫られることになる」という。
トヨタの豊田章男社長はこのほど、「日系自動車メーカーは手を取り合って電池の統一規格を制定し、海外の同業者との競争に立ち向かおう」と呼びかけた。
EVの3大コア技術である電池、モーター、インバーターで、日本は現在すでに一定の優位性を備えるが、欧米と中国が猛烈に追い上げる。VWは18〜22年に340億ユーロ(約4兆6019億円)を投入してEVの技術開発を進める計画を発表。前出のシニア・コンサルタントは、「EV産業には大型の投資が必要だ。日系メーカーがこれまでの考え方に固執するなら、機会を見失うことになる」と注意を促す。
だがトヨタの内山田竹志会長は、「完全電気自動車は航続距離、電池の寿命など解決しなければならない課題がなお山積みだ。自動車が完全に自動化される時代はまだしばらく先のことになる。HVとプラグインハイブリッドカー(PHV)が長らく主流であり続けるだろう」と予測する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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