<レコチャ広場>わが国に問題建築がこれほど多いのはなぜか?―中国

Record China    2009年7月2日(木) 13時34分

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6月30日、上海市で発生した13階建てマンションの倒壊事故について、中国人民大学の教授は自身のブログで「人災」と指摘。建設部門の監督管理システムに問題があるというのだが…。写真は27日に上海市で発生したマンションの倒壊現場。

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2009年6月30日、中国のポータルサイト「新浪」のブログサイトに「なぜわが国にはあまりにも多くの問題建築物があるのか?」というコラムが掲載された。

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作者は中国人民大学農業・農村発展学院副院長で経済学博士の鄭風田(ジョン・フォンティエン)氏。6月27日に上海市で発生した13階建てマンションの倒壊事故から、中国国内で多発する手抜き工事(オカラ工事)による建物倒壊事故の原因について独自の見解を述べている。

「現在、我が国の建築物は2つの深刻な問題を抱えている」と鄭教授。それは「手抜き工事」と「耐久年数の短さ」だという。その原因については「管轄部門による監督管理の不徹底にある」と指摘。広東省質量技術監督局の職員がこの5月に「2007年末から2008年に建てられたマンションは買わないほうがいい。ほとんどが材料費をごまかしたオカラ工事」と暴露したほか、国家建設部に所属する建築家が「全国の相当数の建築物は、その工程も資料も意図的にごまかされたもの」と指摘しているほど。

鄭教授は「昨年旅行した日本では、あれほど地震が多い国であるにもかかわらず宋代(960年〜1279年)の建築物が完璧な状態で多数保存されている。日本の建築水準の高さと品質の確かさには驚嘆すべきものがある」と絶賛。

それに比べて中国で後を絶たない建築物崩壊による悲惨な事故を「人災」と断言する鄭教授は、監督局による検査や管理システムが正常に機能していないことが原因として、国家による早急な改善を強く求めている。(翻訳・編集/本郷)

●鄭風田(ジョン・フォンティエン)

経済学博士。中国人民大学農業・農村発展学院副院長。94年、カナダのマギル大学と中国人民大学が共同で設置した博士課程を修了。国家自然科学基金や社会科学基金などで多数の研究プロジェクトを抱える。専門分野は食品安全、農業系企業マネージメント・企業戦略。

※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。

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