転んでも救えない社会、「自分で転んだ!」と老人が必死にアピール―中国

Record China    2009年2月25日(水) 5時56分

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23日、転倒した老人を助けて逆に訴えられるケースが頻発したことで、転倒した人を進んで助けることを躊躇する風潮が中国各地で定着しているという。写真はバスに乗車する南京市民。

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2009年2月23日、南京晨報によると、江蘇省南京市で22日、75歳になるお年寄りがバスを降りる際に転倒した。ところが、誰もそれを助けようとしないばかりか、転んだ老人は自ら「自分で転んだんだ、安心してくれ!」と周囲にアピール。それを聞いて、周囲の人たちはようやく老人を助け始めた。

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こうした奇妙な状況が起きる背景には、ある事情がある。南京市で07年、つまずいて転倒した老婆をある男性が助けたところ、逆に男性に突き飛ばされたと老婆から訴えられ、数万元もの慰謝料を請求される事件が起きた。また08年にも、浙江省温州市で、転んで気を失った老人を病院へ運んだタクシー運転手が、意識を取り戻した老人から訴えられ、賠償請求されている。河南省でも、転んだ老婆を助けた女性が「あんたが私を突き飛ばしたのか!」と責められ、警察沙汰になる事件が起きている。

こうした事件が頻発した結果、中国ではこのところ、転倒した老人を進んで助けることを躊躇する風潮が定着してしまっているという。

何とも悲しい話だが、言いがかりをつけた老人が痴ほう症なのか? それとも、わざと交通事故を起こし、示談金をだまし取る「当たり屋」的な発想なのか?根底にあるものはいったい何なのだろうか。(翻訳・編集/岡田)

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