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金融業界の新業態となったインターネット金融は2017年、平穏とは言い難い一年となった。技術革新の普及と実践が、銀行とIT関連企業との提携を深めている。
金融業界の新業態となったインターネット金融は2017年、平穏とは言い難い一年となった。技術革新の普及と実践が、銀行とIT関連企業との提携を深めている。監督管理における取り組みが次々実施され、多くのプラットフォームが海外に上場することで「保証」が必要になったほか、東南アジアの市場に目を向けたプラットフォームもあった。
2017年でインターネット金融の激動の幕が次第に下りて、2018年には業態改革のドアが徐々に開くことになると見られている。インターネット金融のプラットフォームがどのように普及し、順調に発展していくかは業界の知恵にかかっている。
▽人工知能:データの収集よりも大事なのは分析
技術で金融業態を変えるのはこれまでの願望から現実になっている。今年、多くの銀行がインターネットプラットフォームやフィンテック企業と提携し始めた。鳳凰金融の張震総裁は先日行われた第16回中国企業リーダー年次総会で、「ビッグデータを『食べる』だけでなく、『消化』しなければならない」と述べた。また、「データの処理と応用はプラットフォームの業務能力をチェックする試金石だ。データの価値は膨大な量に関わるだけではなく、出所の幅広さにも関わってくる。リアルタイムで、具体的なデータを詳しく深く分析し、投資者やプラットフォームに価値のある意見や予測を提供するべきだ」との見方を示した。
張震氏は、「今の市場では、データは不足していないが、そのデータを認識し分析する能力に欠けている。同じ出所のデータに対し、より正確な判断を下すことができるかどうか、経営策を決定する上で指導的な役割を果たせるかが、そのプラットフォームの専門化の度合を具体的に体現している。また、情報の獲得、保存及び応用または情報の保護においては、貸し手と借り手の利益を守るため、インターネット金融関連のプラットフォームは厳しいルールを制定しなければならない。内部コントロールのプロセスを整備する以外、ハードウェアのレベルを高める必要もある」と断言した。また、「プラットフォームはビッグデータの収集におけるコストのコントロールとユーザーに対する妨げとならないことに注意を払わなければならず、ユーザー獲得方法は今後も最適化していくべきだ」との見方を示した。
▽相応しい投資者の選別:相応しい商品をそれに適した人に勧めること
市場や顧客の位置づけを明確にすることは業界細分化発展の基本となる。近年、自動車ローン、3C分割などの分野においてプラットフォームの縦割り分業の傾向が明らかになっている。
ある業界関係者によると、名前や電話、身分証明書、銀行カードという4つの要素の一致性を検証することで、ユーザーの投資行為の確実性をさらに確認できるとしている。アンケート調査や第三者によるデータなどによって、投資者の投資期限、リスク許容度、収益を期待する心理などを分析することは投資者に適した財テクを勧める際に役立つ。
上述の業界関係者は、「現在、インターネット金融、とりわけネットの小口ローンに相応しい投資家らには基準となるルールがなく、投資の条件が緩く、リスク許容度が低く、財務管理の経験が少ないのが一般的となっている。監督管理がますます厳しくなっている一方、技術革新で投資者に科学的且つ合理的な財テクを提供するプラットフォームは市場競争で先制のチャンスを掴むだろう」とした。
▽最前線をどのように守るか?土台をしっかり築くことが産業の将来性につながる
最近、監督管理における取り組みはICOや現金ローン分野において持続的に実施されており、一部のインターネット金融のプラットフォームは海外での上場への歩みをスピードアップさせている。しかし、その後の株価の変動でそれらのプラットフォームは疑問視されている。その中で、東南アジアに目を向け、新しい市場を求めるプラットフォームもある。
張震氏は、「中国には小さい市場がない。金融サービス業においてもそうだ。東南アジアの諸国は人口が少なく、一人当たりの消費レベルも低く、中国の市場とは大きな差がある」と語った。彼は中国のインターネット金融市場の整備が次第に進むことで「マタイ効果」が今まさに現れており、混乱に乗じた無鉄砲な成長には終焉が訪れると考えている。ユーザーのサービスに対するニーズの高まり、産業の縦型分業化、地域ごとの市場特徴などが原因となり、今後はインターネット金融は一人勝ちのゲームではなく、数兆元の市場規模に数百社のプラットフォームが集まるようになるといわれている。金融の本質に立ち戻れば、中国のインターネット金融産業は大いに将来性があると言えるだろう。(編集HQ)