Record China 2008年6月2日(月) 21時10分
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去年8月から北京でスタートした北京五輪のテスト大会シリーズ「グッドラック北京」が今日、幕を閉じた。最後を飾ったのは、今回の北京五輪から正式種目となる「10キロ マラソン水泳」だ。写真は会場の順義オリンピック水上公園。
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去年8月から北京でスタートした北京五輪のテスト大会シリーズ「グッドラック北京」が今日、幕を閉じた。
最後を飾ったのは、今回の北京五輪から正式種目となる「10キロ マラソン水泳」だ。今大会は、北京五輪の予選を兼ねており、昨日は女子、そして最終日の今日は男子が行われ、それぞれ上位11人が本大会への出場権を獲得する。
会場は北京郊外の順義区にある順義オリンピック水上公園。市内中心部から1時間半のところにある。ここは約10カ月前、北京で最初のテスト大会となるカヌーが行われた競技場。思えば、去年8月、真夏の暑さの中、私も最初のテスト大会取材のために、このオリンピック水上公園を訪れた。あれから各競技で、テスト大会が数々行われ、北京の「オリンピック熱」は少しずつ高まりを見せていった。北京五輪本番を2ヵ月後に控え、今大会はその締めくくりとなった。
5月31日の女子10キロでは、スットン・コロエ(米国)が2時間00分48秒で、2位に30秒以上の差をつけて優勝した。
そして、6月1日は男子10キロが行われた。日本人選手は残念ながら含まれていないが、スペイン、アルゼンチン、韓国などから30人がエントリーした。
競技は午前9時スタート。今日の北京は青空が広がるさわやかな天気だ。また、ゴミゴミした市内を離れたので、空気もさわやか。ここ数日続いている強風で、暑さはあまり感じないが、コースにはかなり高い波が立っており、これが選手たちを悩ませている。特に、前半の折り返しまでは、逆風となり、波が選手の進行方向と逆に向いているため、かなりの体の負担になりそうだ。
スタンドには、揃いのオレンジポロシャツをきた「応援団」が陣取る。今回は中国人選手がでていないため、会場を華やかにするため、ボランティアたちが“動員”されたわけだ。
スタート直後にその観客席を選手の一団が通り過ぎ、そのあとは、しばらく場内に“何もない”状態が続く。その後、30分ほどして、選手たちは、最初の折り返しから戻ってきて、観客席と対面にあるメインスタンドの前を通り過ぎる。その“空白”も、陸上競技のように味気ない競技場ならば、退屈なのだが、緑に囲まれた水上公園でさわやかな風を頬に受けながら待っているのは、そんなに悪くない。朝9時の競技スタートで、観客の皆さんは早起きさせられるわけだが、8月の真夏の北京でも、この時間ならば、まだ“我慢できる”状態だろう。この時間設定にも納得がいくというものだ。
選手たちは、再度折り返し、統一された応援を繰り広げる「ポロシャツ軍団」のすぐ目の前を泳いで、またはるか遠くへと消えていく。場内では、中国語と英語による実況中継で、順位の状況などが伝えられている。時々、北京五輪のマスコット「フーワー」が現れて、観客に愛嬌をふりまくのを眺めながら、観客の皆さんはまた選手たちの「帰還」を待つ。泳いでいる選手たちにとっては、強い風と波という条件の中で、かなり過酷なレースだが、見ている我々からすれば、のんびりしたものだ。
この夏の太陽を浴びながら、水面近くで、のんびりと競技を楽しむ…今年、オリンピック競技の仲間入りをしたばかりの「超マイナー競技」ではあるが、こういう五輪の楽しみ方もあるような気がする。
レースは、ブルガリアのストイチェフ・ピーターが1時間59分13秒8で優勝。1年近くにわたって繰り広げられた五輪テスト大会の最後を飾った。
<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>
■筆者プロフィール:朝倉浩之
奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。
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