<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・全容が見えた五輪メイン会場「鳥の巣」(現地レポ)

Record China    2008年5月28日(水) 4時41分

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陸上の五輪テスト大会「中国オープン」は3日目。最終日は明日だが、劉翔の出場する110m障害の決勝が行われる今日は、北京市民にとっては、「クライマックス」の日となる。写真は北京五輪メインスタジアム、鳥の巣。

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陸上の五輪テスト大会「中国オープン」は3日目。最終日は明日だが、劉翔の出場する110m障害の決勝が行われる今日は、北京市民にとっては、「クライマックス」の日となる。週末ということもあって、会場の鳥の巣には、夜の部の試合開始(北京時間19:00)2時間前から、続々と市民がやってきて、劉翔の登場を待っている。その劉翔の出場予定時間は午後10時前だ。

さて、北京五輪のメインスタジアムとして使用される国家体育場は一体、どのようなところなのか。前回の競歩、マラソンのゴール地点として使われた時は、フィールドの芝生もなく、また競技場内の各施設もオープンしていなかったため、今回初めて、国家体育場の全体像が明らかになったといえる。

国家体育場(愛称:鳥の巣)は最大収容人数が91000人。鉄骨を複雑に組み合わせ、鳥の巣のような形状の独特なデザインは、北京の新たなシンボルとなりつつある。北京北部のオリンピック公園内にあり、国家水泳センター、国家体育館などと隣接する。

交通機関については、6月に地下鉄の開通が予定されており、まだ全容が明らかではないが、その新開通の路線のうち「オリンピック支線」で最寄まで向かうことができる。タクシーなどを利用せず、公共交通を利用するならば、今のところ、地下鉄5号線「大屯駅」からでる専用バスなどを利用して、行くことになる。現在、北京の主要地下鉄はいずれも営業時間を延長して、午前1時過ぎまで運行している。鳥の巣での試合は23時を過ぎる場合もあるので、それに合わせたもの。五輪期間中も、地下鉄は大幅に営業時間が延長されることになっており、交通機関の心配はほとんどないだろう。すぐ南側には、北京の主要環状道路の一つ「第4環状道路」が通っており、タクシー等も拾いやすい。

スタジアムへの入り口は北側と南側にあるが、最も大型のものは南側のほうだ。

安全検査場。特に注意したいのは、食品、飲料水、ライターの持込が禁止されていることだ。また薬も大き目のビンに入った液体のものは持ち込めない。筆者は錠剤のビタミン剤も「今後は持ってこないように」と注意されたことがある。他のものはともかく、薬の持込は、ある程度緩和すべきだと思う。

安全検査を終えたあとも競技場入り口までの道のりは意外と長い。開催側は少なくとも試合開始の1時間前までには到着して欲しい、としている。

インフォメーションセンター。通訳サービスもあり、日本語が出来るボランティアも控えている。まずは「ジャパニーズ」とでも言ってあげれば、日本語スタッフを呼んでくれるだろう。

場内には、ほぼ50mおきに飲料・軽食を販売する店がある。コーラやスプライトなどは3元(45円)、ミネラルウォーターは2元(30円)と一般の価格とほぼ同じ。この価格は五輪開催時も変わらないということだ。ちなみに場内には自前の飲料水は持ち込み禁止。軽食はビスケット、ソーセージ、ポップコーンなど。

飲用水のスタンドもある。北京市内では、ほとんど見かけることがない。清潔で飲用に適した水が提供されるということだが、日本の水とは性質が異なるため、日本人は飲まないほうが賢明だ。

トイレの場所は非常に分かりにくい。ドアの色が壁と同化している。標識も一般的なものではない。隣は、上記の飲水スタンド。

多くの人が集まっていたのは「鳥の巣郵便局」。ここから国内、国際郵便が出せる。五輪の記念切手なども発売されている。

鳥の巣では、開閉膜式をはじめ、陸上競技(マラソン、競歩のゴール含む)、男子サッカー決勝などが行われることになる。もし訪れる機会があれば、参考にしてほしい。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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