Record China 2008年5月23日(金) 19時11分
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未曾有の大災害となった四川大地震の「哀悼期間」が明けた。まだまだ被害の全貌が分からないという大変な大惨事だが、悲しみに暮れた中国全土は少しずつ、オリンピックに向けて、進もうとしている。写真は22日、陸上中国オープンでの劉翔。
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未曾有の大災害となった四川大地震の「哀悼期間」が明けた。まだまだ被害の全貌が分からないという大変な大惨事だが、悲しみに暮れた中国全土は少しずつ、オリンピックに向けて、進もうとしている。
22日朝から国家体育場(愛称:鳥の巣)で、陸上中国オープンが始まった。去年8月から始まった五輪テスト大会の大詰めとなる大会。110m障害の世界記録保持者、劉翔も出場することになっており、非常に注目度の高い大会となった。
今大会は、46種目(4つのパラリンピック種目含む)が行われ、14の国と地域から932人が出場している。(うち海外からは154人)。メディアの注目度も高く、200社2200人の記者が世界中から訪れることになっている。
初日は9時から始まり、大地震犠牲者に対する哀悼の式典が行われたのち、女子7種競技(ヘプタスロン)の100m障害から幕を開けた。
なお、劉翔が出場する110m障害は、今日夜9時(北京時間)に予選が行われ、準決勝が23日(金曜日)、決勝が24日(土曜日)にある。トラックが劉翔のホームグラウンドより固く、一部に「記録が出にくいのでは?」という声もあるようだが、今大会は劉翔にとって、その硬さに慣れる最初で最後の機会となる。
また国家体育場(鳥の巣)にとっては、五輪前最後のテスト大会となる。前回のマラソンの際、「雨漏り」が発生し、大きな問題となった。これについて、施設担当者は「開幕式のために試験的に打ち上げた花火の火花が落ちてきた際、天井に穴を開けた」ことが原因と説明している。すでに、技術者を派遣して、「補強」を行ったということだ。
また前回のテスト大会では、座席に大量の“砂ぼこり”が落ちているという状況もあった。鳥の巣の最大の特徴が、お椀型のスタジアムにもかかわらず「高い通気性」にあるということだが、それが逆にアダとなり、北京を包む春の「砂」が大量に舞い散ったというわけだ。これについて、担当者は「周囲で工事が行われていたことが主な原因」としており、現在は「万全の対策」を施したとしている。
国内外でさまざまな環境のスタジアムを目にしている筆者としては、「多少のことはいいんじゃない?」と、揚げ足を取られているような“鳥の巣”が気の毒に思えてくるが、国家の威信をかけて開く北京五輪のメインスタジアムだけに、より“完璧”を目指したいということだろう。
その最後のテストが、いよいよ今日から始まる。
<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>
■筆者プロフィール:朝倉浩之
奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。
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