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過去5年間に、国民の暮らしのニーズは暮らしの基盤となる硬直的ニーズから、精神的ニーズへと徐々に変化し、ニーズのモデル転換が就職のモデル転換をもたらした。就職情報サイトのBOSS直聘がこのほど発表した「2017年度大学卒業者競争力報告」によると、2017年に全国の大学を卒業した人の平均月収は5074元(1元は約17.0円)で、前年比14.1%上昇した。
過去5年間に、国民の暮らしのニーズは暮らしの基盤となる硬直的ニーズから、精神的ニーズへと徐々に変化し、ニーズのモデル転換が就職のモデル転換をもたらした。就職情報サイトのBOSS直聘がこのほど発表した「2017年度大学卒業者競争力報告」によると、2017年に全国の大学を卒業した人の平均月収は5074元(1元は約17.0円)で、前年比14.1%上昇した。生活情報サイトの58同城がまとめたデータ報告によれば、消費のバージョンアップが賃金の上昇をもたらした。2012年から17年までの5年間に、産業全体の平均賃金は4857元から6289元に上昇したという。
▽双一流大学卒業者は平均月収6018元
17年には795万人の大学生が卒業し、95後(1995年以降に生まれた人)が職場の新人の主力になった。データをみると、大卒者向けの就職口では、市場担当者、販売担当者、行政担当者、旅客サービス担当者といった入門的なポジションがほとんどで、技術の研究開発や製品の設計といった高い技能が求められるポジションの割合は10%に満たない。
大学のブランドによる大卒者の賃金の押し上げ効果は引き続きはっきりしている。17年に教育部(省)の世界一流大学・一流学科建設(双一流)の対象校に選ばれた42大学の卒業生は平均月収が6018元に上り、全国の大学全体の平均値を20.3%上回った。また双一流大学卒業生で月収が1万元を超える人は7.1%に上り、この割合は一般の大学本科(4年制大学に相当)卒業生の5.2倍にあたる。
就職先を産業別にみると、17年もインターネット産業が最も人気のある産業となり、最初の職場にネット産業を選ぶ大卒者の割合は16年より0.52ポイント増加し、3年連続で増加した。数年前に人気の高かった従来型金融産業は、賃金の優位性が徐々に低下したため、大卒者の間で徐々に人気がなくなり、金融を選ぶ大卒者の割合は16年に比べて1%近く減少した。またベンチャー企業の数が飛躍的に増加し、新興産業の待遇が改善を続けていることから、公務員の人気が目立って下がり、政府・非営利団体を選ぶ大卒者の割合が減少した。
▽保健・マッサージ産業の月収が1万元突破
58同城がこのほど発表した「2012〜2016年5年間就職情勢方向」では、過去5年間に産業全体の平均賃金が12年の4857元から17年は6289元に上昇し、うち16年は前年比19.77%上昇を達成して、5年間で上昇率が最も大きい年になった。交通サービス産業、金融産業、不動産業、サービス産業が急速に発展し、企業の人材ニーズが急増したことが、産業全体の賃金上昇をもたらしたという。
一線都市では、北京のハイレベルマネジメント産業は過去5年間賃金ランキングのトップの座に座り、月収1万元を超える水準を維持している。2位は保健・マッサージ産業で、平均賃金は12年の8654元から17年上半期は1万179元に上昇して高いレベルを示した。上海の過去5年間の産業別賃金ランキングでは、ハイレベルマネジメント産業が1位、金融・銀行・証券・投資産業が2位で、ハイレベルマネジメントの平均月収は12年に9802元だったほかは、ずっと1万元を超える水準を維持している。広州と深センには違いがあり、広州の平均賃金トップの産業は不動産仲介業、深センは保険産業となっている。
▽フィットネス産業の賃金上昇幅が最高
消費ニーズのモデル転換・バージョンアップは就職の嗜好や人材ニーズの変化を直接もたらし、賃金上昇を喚起する重要な原因になった。普通の人々の間で健康への理解が進むにつれて、フィットネスによる体作りが徐々に暮らしに溶け込むようになった。58同城の報告のデータをみると、17年に求職者が期待する賃金上昇幅が最も大きかったのはスポーツ・フィットネス産業で、前年比12.03%の上昇が期待された。
EC産業の勃興発展も働く人の賃金を引き上げた。ECの遺伝子をもつ杭州の場合、ここ数年はEC産業が急速に勃興発展し、ネット企業が急速に発展し、過去5年間の平均月収は5806元に達し、賃金水準は新一線都市のトップクラスだった。
不動産業の「黄金の10年間」がこの産業に従事する人々の賃金上昇を後押ししてきた。データをみると、不動産仲介業者の賃金上昇幅は他分野を上回り、求職者が期待する賃金は17年に同11.36%上昇した。求職者の期待賃金上昇幅2位は金融産業で、同11.67%上昇した。
過去5年間の賃金データの変化を振り返ると、国民の暮らしのニーズは暮らしの基盤となる硬直的ニーズ(衣類、食品など)から非硬直的ニーズ(外食など)へと徐々に変化し、最終的に精神的ニーズ(旅行、社会人教育、スポーツ・フィットネス・養生など)へと変化した。ニーズのモデル転換が就職のモデル転換をもたらし、また関連する職業の賃金を引き上げた。(編集KS)