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世界総合格闘技大会(MMA)2017の決勝が7日、カザフスタンの首都アスタナで閉幕した。
世界総合格闘技大会(MMA)2017の決勝が7日、カザフスタンの首都アスタナで閉幕した。中国MMA代表チームは2日間の戦いの末、素晴らしい成績を残した。解俊鵬選手と張南雁選手がそれぞれ銅メダルを獲得、また女子代表の林荷琴選手がロシア代表選手に勝利し金メダルを獲得し、中国初の快挙を成し遂げた。中国青年在線が伝えた。
林荷琴選手はそのすっきりとした顔立ちとパワフルな実力で格闘技ファンからは「格闘技界に咲く一輪の花」と呼ばれている。彼女は順調に決勝まで勝ち進み、7日夜に行われたロシア代表選手との試合に勝ち、52.2キロ級の金メダルを見事勝ち取った。
林荷琴選手は金メダル獲得後の取材に対し、今回仕掛けた戦術やテクニックが功を奏した。今回の試合も数多くの経験が得られたとし、「今とても興奮している。今後は次の試合に向けてすぐにもトレーニングを始めたいと思う」とした。
今回チームを率いたアジア総合格闘技協会主席、中国ボクシング協会副主席の韓久力氏は、「ロシアは格闘技における強国で、格闘技を学ぶ人口とハイレベルな選手が多く、前回の大会では7つの金メダルを全て勝ち取った。今回、林選手がロシア代表選手に勝利し金メダルを勝ち取ったことは、中国の選手が世界レベルの選手と張り合えるレベルまで成長した上、中国が現在格闘技の強国へ向かって邁進していることを意味している」と話した。
すっきりとした顔立ちながら、パワフル
実力からみても、林選手は普通レベルの選手ではないばかりか、世界チャンピオン級の選手。しかしその外見はすっきりとした顔立ちの女性。
卵型の顔に切れ長の瞳、また笑ったときにできるえくぼが印象的な中国江南地方の女性そのもので、「近所に住む普通の女の子」と言っても不思議に感じないほど。しかしひとたびリングに立てば、そんな印象は一変し、「戦うオンナ」となる。
「その小さな体のどこから、そんなパワーが出てくるのか」と多くの人から聞かれるそうだが、そういう時は、「私のことを見て、より多くの人に外見はか弱そうでも、実際そうとは限らないことを知ってほしい。女性を甘く見ないでほしい。女性だって男性のようにリングに立ち、戦うことができるのだ」と答えるのだという。
優勝の裏には想像を絶する努力
1993年、林選手は浙江省温州市楽清虹橋鎮前塘村に生まれた。林選手の家族にはスポーツ選手もいないため、誰もこのか弱そうな小さな少女が世界の格闘技界でトップとなる女性になるとは思いもしなかった。
林選手は、「小さい頃から、警察になるのが夢だった。武術を習えば警察になれるのかと常に考えていた」と振り返る。2008年、林選手は、楽清体育学校で実戦形式の競技「散打」を学び始め、その後、温州市の少年体育学校へ進学した。
林選手は、「MMAの試合は毎試合、その記憶が鮮明。なぜならほとんど毎回怪我をするから。過去に、男性選手と練習試合をしていた時に鼻を殴られたことがあり、その瞬間目の前が真っ暗になり、続いて星が飛び交った。朦朧とする意識の中、鼻血が止まらず、呼吸が困難だった感覚を覚えている。その時は手術する必要があるほど深刻なケガだった。鼻が折れて曲がることを心配したが、殴られて折れ曲がるくらいなら、きっとまた殴れば元どおりに戻すことも可能と自分を慰めた。そのほかにも、相手と組み合いになった際、腕が逆に折れ曲がったこともあった。その後、猛特訓した結果、私を圧倒する相手はほとんどいなくなり、それからは怪我をすることが格段に少なくなった」と話す。
絶え間無いトレーニングで成長した林選手は、MMAの各大会で頭角を現し、今年は8勝1敗1引き分け(うち6試合はTKOによる勝利)という好成績で世界大会に挑んだ。(編集TK)