「大奥」がついに中国上陸、空前の「日劇ブーム」でTVドラマ界に大異変!その人気の秘密は?

Record China    2008年5月21日(水) 20時7分

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「日劇」―日本製TVドラマが空前の大ブームだ。その製作本数においても、人気度数においても、現在、ドラマ番組は中国国内で花盛りだが、中でも日本産ドラマが中国の視聴者に強烈なインパクトを与えている。写真は中国のコスプレ族。日本アニメファンも数多い。

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「日劇」―日本製TVドラマが空前の大ブームだ。その製作本数においても、人気度数においても、現在、ドラマ番組は中国国内で花盛りだが、中でも日本産ドラマが中国の視聴者に強烈なインパクトを与えている。とりわけ注目株なのが、現在放映中の「大奥」。江戸時代の日本を舞台にしているという特殊な背景ながら、新鮮な驚きをもってお茶の間に受け入れられ、ブームの火付け役となっている。この「大奥」に代表される「日劇」ブームの到来には、どんな理由が隠されているのだろうか?

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これまでにも、日本産のドラマ自体は中国国内で放映されていた。中国の若者なら誰でも知っている「東京ラブストーリー(東京愛情故事)」や世界中で人気を博した「おしん(阿信)」などは、多くの根強いファンを持つ。ただし、放映権が高額なためこれまでの放映本数は決して多くはなかった。

ところが、近年になって、日本のドラマが俄然注目を集めだした。権力欲にまみれた医療界の実態を描く「白い巨塔(白色巨塔)」、クラスのいじめられっ子がみるみる人気者に変身する「野ブタ。をプロデュース(野猪大改進)」、結婚や仕事に悩む30代独身OLの生き方を描く「anego」、秋葉原を徘徊するオタクが初めての恋を経験する「電車男」など、日本でも高視聴率を博したドラマが、中国でも同様に人気を集めている。今夏には満を持して、国営テレビ局の中央電視台が「医龍Team Medical Dragon」の放映を開始する。これほどまでに日本のドラマが受け入れられるのには、2つの理由が挙げられるという。

まず1つ目の理由は、「題材の豊富さ」。従来、中国の視聴者が親しんできたドラマに比べ、日本のドラマは題材や背景設定が圧倒的に豊富で、テーマも細分化されており、あらゆる視聴者層のニーズに応えることができるということ。また、その時々の社会の動きをしっかりとストーリーに反映させており、設定も非常に細やかでリアルであるということ。

そして2つ目の理由は、「親しみやすく、個性溢れる俳優陣」。中国のTV俳優や過去にブームとなった韓流の俳優たちは、とにかく美男美女であることが第一の条件とされ、リアルな日常のドラマを演じるには違和感を拭えない部分が多かった。それに比べ、日本の俳優はそれぞれに確立したキャラクターを持ち、視聴者にとっても「血の通った」親近感を持てる役者が揃っているということ。

そのほかに、視聴者の目が成熟してきたという背景も少なからずあるだろう。以前に比べ、外国の文化が多量に流入し、それらが若い世代の間で抵抗感なく受け入れられるようになっている現在、「近いようで遠い国」日本のドラマはもはや、荒唐無稽な夢物語ではなく、視聴者にとってリアルな共感を呼ぶストーリーとして位置づけられてきているようだ。

前述の「大奥」を例にとって見れば、作品が江戸時代の後宮という極めて特殊な世界を舞台にしているにも関わらず、そこに描かれているのは「愛憎まみえる人間模様」という極めて普遍的なテーマであり、ひとつの作品の中にエキゾチシズムとリアリズムの両方を同時に湛えている点が、視聴者の心を強烈に惹きつけたのだと推測できる。

ところで、日本発のコンテンツが中国国内で爆発的人気を博したのは、TVドラマが初めてではない。「ジャパニメーション」として世界中で熱狂的なファンを生んでいる日本産のアニメは、多くの中国の若者や子どもの心を捉え、大量の「動漫迷(マンガ・アニメオタク)」や「コスプレ族」を生んだ。そのあまりの人気ぶりに、国産コンテンツの将来を憂慮した「国家ラジオ映画テレビ総局(広電総局)」は2008年2月、「広電総局によるテレビアニメ放送管理に関する通知」を発表、今年5月1日より外国アニメ放映規制を強化する運びとなったほどである。同通知では国産アニメと外国産アニメの放送時間の比率を7対3に徹底するよう厳しく規定されている。なお、同局によると、中国は「世界一のTVドラマ生産大国」。現在、1794局のTV局がドラマ番組を制作しており、その制作本数は1日当たり40話分と言われている。このように隆盛を極めるドラマ市場であるが、もし今後、日本産TVドラマの人気がアニメと同じように市場を席巻するほどになるとしたら、ドラマの世界でも同じような措置が採られるということもあるかもしれない。(原稿/愛玉)

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