人民網日本語版 2017年8月25日(金) 23時0分
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中国では、ペットの中でもネコだけに、「ネコの奴隷」、「ネコ嗅ぎ」、「ネコ動画」、「ネコ中毒」などの、たくさんの専門用語が作られたというおもしろい現象が見られる。
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中国では、ペットの中でもネコだけに、「ネコの奴隷」、「ネコ嗅ぎ」、「ネコ動画」、「ネコ中毒」などの、たくさんの専門用語が作られたというおもしろい現象が見られる。米インディアナ大学のある研究では、動画共有サイト・YouTubeのネコの動画に寄せられるコメントは、他のどんな種類の動画に寄せられるコメントより多いことが分かった。「ネコ星人が地球を支配する」というのが、中国の若者が普段よく使う言葉になっており、「ネコ好き」がネット上のポリティカル・コレクトネスになっている。文匯報が伝えた。
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▽ネコが日本の経済を救う!
日本の経済は近年、泥沼にはまっている。しかし、2015年から、「ネコノミクス」という新しい言葉を日本でよく耳にするようになり、多くの関連業者が歓喜している。どんなに景気が悪くても、ネコや関連商品に対する人々の熱意は全く冷めず、ネコを巧みに活用すれば、注目を集め、利益を得ることができる。関西大学の宮本勝浩名誉教授は、「15年、日本全国でネコのえさ代や病院代に掛けられた費用が計約1兆1000億円。このほか猫関連の本や写真集の売り上げが約30億円。経済効果は約2兆3000億円で、国民的アイドルグループ・AKB48の565億円を大きく上回る」との試算をはじき出している。また、ペットフード協会の統計によると、ペットとして飼われているイヌの数は右肩下がりになっているものの、飼われているネコの数は10 年から年々増加している。
ネコの本ばかりを集めた「にゃんこ堂」などのネコ本専門店やネコカフェなどが人気になり、観光客を呼び込むネコ駅長のタマ、ネコの田代島、記録的な興行収入をたたき出すネコアニメなど、「ネコ」を活用して成功しているビジネスは日本で数えきれないほどたくさんある。
▽大ヒットする「ネコ本」
文学界の巨匠・夏目漱石、毎年ノーベル賞の受賞が期待される人気作家・村上春樹なども小説家人生の中で、大ヒットした「ネコ本」を残してきた。
現在、多くの若手作家も「ネコ」をテーマにした作品を手掛け、多くの出版社もチャンスとばかりに癒し系のネコ本シリーズを打ち出している。また、「にゃんこ本ベスト100」を刊行して、ネコ文化を系統立てて紹介する出版社もあり、ヒットしている。
電子版書籍が普及している今、実店舗の書店は生存の危機にさらされている。東京・神保町にある神保町にゃんこ堂も、以前は倒産の危機に瀕していた書店だ。
同店はもともとあまり知名度がなく、インターネットの普及により打撃を受け、倒産の危機に立たされていた。しかし、「猫に小判」と言わんばかりに、ネコ関連の書籍だけを販売するスタイルに切り替え、大成功を収めた。黒字経営に転換しただけでなく、今では地元で文化的シンボルとなっている。
▽ネコカフェが流行
また、ネコのおかげで、競争から一歩抜け出した喫茶店もある。ネコカフェに行って、コーヒーを飲みながらネコと戯れるというのが、日本で今最も流行している娯楽の一つになっている。
現時点で、日本全国にネコカフェが数百店あり、働く女性に特に人気だ。岡山大学自然生命科学研究支援センターの樅木勝巳教授は、ネコカフェが人気になっている理由について、「人がネコと過ごす時間は、人と人が過ごす時に感じるような緊張感がない」と説明する。
▽入居率上昇中のネコが飼える賃貸住宅
ネコの身分は上がっており、「ネコ様」が快適に過ごせるスペースのニーズも高まっている。このことに商機を見出した建築業者や仲介業者は、ネコを飼っている人をターゲットにした、ネコが飼える賃貸マンションやアパートを打ち出している。日本では空き家率が上昇しているものの、普通の賃貸より家賃が20%高い、ネコが飼える賃貸住宅は入居率が上昇している。
ネコが飼える賃貸住宅の最大の特徴は、住宅全体がネコが快適に暮らせる環境になっている点だ。例えば、東京・葛飾区で今年4月に完成したネコ専用デザイナーズ・アパートメントMaison Nekoも、ネコも人も快適に暮らせる作りになっている。部屋が全て3階建てで、部屋の大きさ狭いものの、縦長の構造で、ネコが縦方向に動くことができる空間になっている。標準的な猫トイレを2つ、2階のトイレに置くことができ、空気の流れが確保できるため、ネコが快適に用を足すことができる。また、壁にはネコが出入りできる小さなドアもある。
その他、大きさがもっと小さく、独身の人向けの、ネコが飼えるワンルームマンションも増えている。このマンションの面積は30-50平方メートルで、室内にはネコのおもちゃがたくさんある。また、クロスやソファーなどもネコがひっかいても問題なく、ネコのジャングルジムを自分で用意する必要もないため、バッグ一つで入居することができる。
▽日本でネコが愛される理由は?
ネコは日本で飼われている多くのペットの一種であるにもかかわらず、なぜネコはこれほどの経済効果をもたらすことができるのだろう?これは、日本の文化におけるネコの地位と関係がある。
日本には元々ネコは生息していなかった。しかし、奈良時代に、経典をネズミから守るため、僧侶たちが中国からネコを持ち込んだ。当時、ネコは非常に貴重な存在で、皇室の関係者しか飼うことができず、ネコは「権威」の象徴となった。
その後、明治時代に、ネコは一般家庭でも飼われるようになり、多くの人の悩みの種だった、ネズミが食料を食べるという問題もほぼ解決された。そして、ネコを飼うのがブームとなった。そして、リズムの速い現代社会において、しっぽが短くなった日本のネコは「ペット」というだけでなく、「家族」、「友達」として扱われるようにさえなっている。あるトーク番組の司会者は、「ネコに夢中になるというのが日本の現代社会の象徴になっている」と語ったことがある。
日本人がネコに夢中になるのには4つの原因がある。まず、ネコが人の心を癒してくれるからだ。リズムの速い現代社会において、冷たい人間関係が特徴となり、人と人のつながりが薄くなっているため、多くの日本人が孤独や苦痛を感じ、「癒し」を求めるようになっている。たくさんのペットの中でも、ネコはおっとりとしていて、何とも言えないかわいさがあるため、日本人にとってはたまらない「癒し系」のペットとなっている。その独特の習性やかわいい仕草などが、多くの人をほっこりした気持ちにさせている。
次に、日本人の民族的心理や民族性もネコ文化の形成に一役買っている。ある学者は、「日本の文化は我慢や従順を崇め、細かい部分のちょっとした違いにさえ、慎重に目を止めるよう、社会では求められる。そのような重圧にさらされる環境において、気ままで、自由なネコは、自然と日本人に心から愛される存在になっている」と分析している。
3つ目に、のんびりとし、だらけているネコの姿も日本人の心を癒している。日本の街中では、多くの人が行き来している所で、地面に転がり、のんびりしているネコをよく見かける。その周囲の環境とのギャップに、リズムの速い生活の中で不満を抱いている人や田舎生活にあこがれる人の心を癒している。
最後に、ネコは華奢で、上品、優雅であるため、日本人の好みにマッチしている。そして、ネコのかわいい外見も、日本の「かわいい文化」にぴったりとマッチしている。(提供/人民網日本語版・編集KN)
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