銀行カード域外1000元取引が記録対象に、留学やネット通販への影響は?

人民網日本語版    2017年8月8日(火) 14時50分

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中国はマネーロンダリング対策の強化を続けている。銀行カードは個人が域外で使用する最も中心的な決済ツールで、マネーロンダリングや腐敗などの犯罪活動の主な手段にもなっている。

中国はマネーロンダリング対策の強化を続けている。

銀行カードは個人が域外で使用する最も中心的な決済ツールで、マネーロンダリングや腐敗などの犯罪活動の主な手段にもなっている。

国家外貨管理局(以下、同局)は6月2日に「9月1日より、域内銀行カードの域外での現金引き出し及び消費取引情報を収集する」と宣言し、8月3日にはさらに「8月21日よりカード発行銀行は銀行カード域外取引情報を報告すること」と通知を出した。

◆違法マネーロンダリングを防止

同局のウェブサイトで3日に発表された情報によると、同局総合司は「銀行カード域外取引の外貨管理システム登録の関連作業に関する通知」を発表し、21日よりカード発行銀行は銀行カード域外取引情報を報告することとした。9月1日より新たに銀行カードを発行する域内金融機関は、銀行カード外貨管理システムに銀行カード域外取引情報を報告する条件を備えなければ、自行の銀行カードの域外取引事業を開通することができない。

収集する情報は、主に次の2つの内容だ。(1)域内銀行カードの域外金融機関窓口及びATMなどの場所と設備で発生する現金引き出し。(2)域内銀行カードの域外実店舗及びオンライン特約店との1回当たり1000元(1元は約16.5円)以上の消費取引。

なぜ上限が1000元までに設定されたのか。クレジットカードサービスサイト「我愛■網」(■は上と下が上下に組み合わさった字)の董崢編集長は「近年、域外での現金引き出し額が多く、混乱が見られる。例えば海外の一部のジュエリー店、腕時計店は中国人観光客に対して、銀聯カードにより虚偽の売買を行い現金を与えている。あるいは銀行カードの転売により域外で現金を引き出し、アリの引っ越しのように資産を移している」と指摘した。

同局の関係者は、「データ収集により、銀行カードの域外消費・現金引き出しを消費者の個人情報と照合する。これは銀行カードの域外違法取引に対する取り締まりを強化するためだ」と説明した。

また、同局の関係者は、「当局はカード発行金融機関から関連データを直接収集し、個人からの申請を求めない。そのため収集のハードルの高さは、個人が実際に銀行カードを使用する取引に影響を及ぼさない」と続けた。

同局は2007年より、個人の年間両替の上限を2万ドル(1ドルは約110.7円)から5万ドルに引き上げた。信憑性を裏付ける資料を提出できれば、この年間の両替上限金額を上回ることも可能だ。

◆ネット通販、旅行、留学に影響せず

爆買いは域外旅行の主な内容になっている。それから留学生、「海淘族」(ネットを通じて海外のサイトで買い物する人々)が加わり、個人による銀行カードでの域外取引が爆発的に成長している。統計データによると、2016年には1200億ドル以上の規模に達した。

同局の新規定は、人々の域外消費に影響を及ぼすだろうか。

答えは「ノー」だ。銀行カードの域外取引情報は、カード発行金融機関が報告する。個人が別途で申請する必要はなく、個人のカード使用コストが増えることもない。同局は法に基づき、カード所持者の情報の安全性を保護する。

同局の関係者は、「新規定はこれらの記録のうち、申請が必要な部分を収集し、これをまとめて報告するにすぎない。個人情報を過度に収集するわけではない」と話した。

広東省で代理購入に長期的に従事している人物は、「新規定の主な目的な監督管理で、1000元も消費額を制限するわけではなく、一般人の正常な消費に何の影響も及ぼさない。購入すべきものは購入でき、海外から商品を購入したからといって納税を迫られるわけではない。この情報は税関ではなく同局に報告される。税関で税金をかけられる心配はない」と話した。

同局の新規定によると、今回の報告の対象となるのは域内銀行カード、つまりカード発行銀行が中国域内で発行した各種銀行カード精算機関マークのある銀行カードであり、海外のカードや銀行以外の決済は含まれない。例えば工商銀行アジア、建設銀行陸港通、中国銀行香港などの域外カードによる現金引き出し及び消費、支付宝(アリペイ)、微信銭包(WeChatウォレット)の消費・取引記録が収集され、報告されることはない。

しかし董氏は、「個人の域外カードの使用で1000元を超えれば自動的に記録される。1000元を超える域外消費が長期化すれば、マネーロンダリングを疑われ、重点的にチェックされる可能性がある」と述べた。(編集YF)

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