フライメディア 2017年8月7日(月) 13時30分
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暑い夏がくると、日本であまり見かけない、中国独自の「涼茶(リャンチャ)」と呼ばれるジャンルの清涼飲料水が人気だ。漢字から「涼しげ=冷たいお茶」を想像するが、実は、数種の薬草を煎じて作られた、いわゆる中薬入りのドリンクだ。
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なぜ夏に人気かというと、涼茶の成分には、仙草、菊花、甘草、スイカズラなど薬草数種が入っていて、これら薬草に解熱作用が含まれていて、のぼせ防止に効くとされているからだ。中国では、のぼせる状態を「上火(シャンホゥオ)」と言い、夏は「上火」しやすく、食べ物や飲み物で、体内の熱を排出させ、のぼせた状態(上火)を取り除くという考えがある。また「怒っぽくなる」、「かっとしやすい」、「炎症が出る」なども「上火」の症状だとして、こういう症状を緩和するのに効果的な飲み物が涼茶だと言われている。
涼茶は、コンビニやスーパー、レストランで手軽に購入できる。特にほとんどのレストランには、涼茶ドリンクの代名詞とも言える「王老吉(ワンラオジィー)」か「加多宝(ジィアドゥオバオ)」がおいてある。中国全土でもかなりメジャーなブランドで、実際は、夏の人気ドリンクというだけではなく、年間を通じて脂っこい料理を食べた後や辛い料理を食べる時にもよく飲まれている。
涼茶を飲む文化は、気候や地理的位置などから、高温多湿の南方から発信されたもので、南方では、夏に飲むマストドリンクだ。特に広東省や香港などでは、街角で薬草を鍋で煎じ、やかんにいれて、1杯ずつ販売する凉茶の専門店もあり、地元民に愛飲されている。こうした涼茶の専門店は、風邪予防、胃腸によい、寝付きを良くするなど細かくその効能ごとに種類が違う涼茶を販売している。
気になる涼茶の味は、一般にコンビニなどで広く販売されているものは甘みが強く、飲みやすいものが多い。もちろん、専門店などで本格的に効能別で販売している涼茶は、苦みがあるものもある。
中国では、現代でもこのような「上火」といった中薬の考えが日常生活にも浸透していて、自然と継承されている。若い世代でも普通に「口内炎ができた!」「あっ上火だね」とか、「なにイライラしているの?上火?」で会話が成り立つことも興味深い。余談だが、「涼茶」は2006年には中国の無形文化遺産に登録されている。(提供/フライメディア)
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