中央政治局会議 中国経済の7大シグナル発信

人民網日本語版    2017年7月27日(木) 6時0分

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上半期の中国経済は国内総生産(GDP)増加率が6.9%になるという成果を上げた。下半期は安定しつつ好転する局面をどのように続けていけばよいか、財政金融面のリスクをどのように防げばよいか。

上半期の中国経済は国内総生産GDP)増加率が6.9%になるという成果を上げた。下半期は安定しつつ好転する局面をどのように続けていけばよいか、財政金融面のリスクをどのように防げばよいか。中国共産党中央政治局は24日に会議を開き、当面の経済情勢を分析・検討するとともに、下半期の経済業務を計画した。伝えられる言葉の端々から、中国経済をめぐる7つのシグナルが伝わってくる。新華社が伝えた。

▽第1のシグナル:安定と進歩の関係をよりしっかり把握する

上半期の国民経済は安定しつつ進歩する局面と安定しつつ好転する局面が続いた。下半期の経済発展を見据えて、「安定の局面」と「好調な局面」をよりはっきりと確保するにはどうしたらよいか。

会議での見方:下半期の経済業務をしっかりと行うには、安定しつつ進歩を求めるという業務の全体的基調を堅持し、安定と進歩の関係をよりしっかりと把握し、バランスを把握し、タイミングを把握し、頃合いを把握する必要がある。

コメント:「百里を行く者は九十を半ばとす」。国務院発展研究センターの張立群研究員はこのように述べた上で、「経済が安定に向かう局面が明らかで、好転の要因が増えている目下の情況において、気を緩めてはならず、ますます細心に貴重な成果を維持していく必要がある。経済成長の安定がなければ、企業のモデル転換の前提条件が整わなくなる。一面的に安定を求めれば、持続可能な発展の能力を構築することはできない。供給側構造改革を掘り下げて推進し、頃合いを把握することを前提として積極的に取り組まなければ、発展の安定性と持続可能性が著しく向上することはあり得ない」との見方を示した。

▽第2のシグナル:市場メカニズムをより多く運用して「ゾンビ企業」に対処する

生産能力の削減とデレバレッジが牽制し合い、「ゾンビ企業」の撤退が債務処理などの難問をもたらす……経済発展の主軸である供給側構造改革は下半期、どうやって難問を解決して力を発揮していけばよいだろうか。

会議での見方:供給側構造改革を揺るぎなく深化させ、「三去一降一補」(過剰生産能力の削減、在庫の削減、デレバレッジ、コストの引き下げ、弱点の補強)を深いレベルで推進し、「ゾンビ企業」の処理という重要ポイントをしっかりと把握し、市場メカニズムをより多く運用して優勝劣敗を実現させる必要がある。

コメント:北京大学国家発展研究院の盧鋒教授は、「『ゾンビ企業』の処理が下半期供給側構造改革の努力目標の1つになることは間違いない。過剰な生産能力と『ゾンビ企業』のガバナンスでは、政治と企業の関係および政治とビジネスの関係の改善をより重視し、市場や法治に基づいて自力で生き残る力のない企業には撤退を迫り、撤退が困難な企業にはスムースな撤退のために適切な支援を提供して、過剰生産能力という難題を総合的に解決するとともに、構造調整を後押しすることが必要だ」と指摘した。

▽第3のシグナル:地方政府の債務リスクを積極的・安定的・適切に解消する

上半期、中央政府は地方政務の債券発行や資金調達を規範化するためにさまざまな政策を打ち出してきた。一部の地方政府で引き続き債務が急増する問題に直面して、今後はどのようにして債務リスクの予防を一層強化していくか。

会議での見方:累積する地方政府の債務リスクを積極的・安定的・適切に解消し、地方政府の債券発行と資金調達を効果的に規範化し、隠れた債務の増加を断固として制御する必要がある。

コメント:中国財政科学研究院の劉尚希院長は、「このたびの中央政治局会議は下半期の地方政府の債務管理の強化についてより高い要求を打ち出し、地方政府が担う建設任務の重さを考慮して、一方ではさらに債券発行・資金調達の方法を規範化し、地方の発展に向けた積極性を保護し、また一方ではさらに厳格に隠れた担保、融資プラットフォームでの債券発行、偽の官民パートナーシップといった規律違反の債券発行の行為を制御し、タイミングよく債務を識別し、償還の責任を明確にして、リスクを『みんなで引き受ける』ような事態は防がなければならない」と述べた。

▽第4のシグナル:金融の混乱に着実なガバナンスを行う

金融の業態がますます豊富になる中、蓄積され続ける金融リスクをどのように防げばよいか。経済のモデル転換・高度化の重要な時期にあって、より多くの金融資源が経済社会発展の重点分野および弱い部分により多く配置されるよう誘導するにはどうしたらよいか。

会議での見方:系統的金融リスクが発生しないという最低ラインが着実に守られるよう確保する。金融の混乱に掘り下げた着実なガバナンスを行い、金融監督管理の協調を強化し、金融の実体経済に対するサービスの効率と水準を引き上げる必要がある。

コメント:中国民生銀行の温彬・首席研究員は、「実体経済へのサポートは金融の天職であり目的であり、金融リスクを予防し、金融自身の持続的で健全な発展を確保するための根本的措置だ。金融機関自身がリスクの意識を増強し、慎重で規律に合致した経営を強化する必要がある。金融監督管理部門は協調を強化し、監督管理の合成力を形成し、リスクの底をはっきりさせ、より多くの金融業務が実体経済にサービスを提供するようにし、系統的金融リスクが発生しないという最低ラインを厳守する必要がある」と述べた。

▽第5のシグナル:不動産市場の安定のための長期的メカニズムの構築を急ぐ

上半期には、新しい不動産コントロール政策の効果がさらに顕在化し、全国の不動産価格は全体として安定し、大中都市70カ所の住宅販売価格の低下と上昇幅の鈍化がいずれも進行した。分化を続ける不動産市場に直面して、下半期の政策にはどのような動向がみられるだろうか。

会議での見方:不動産市場を安定させ、政策の連続性と安定性を堅持し、長期的に効果を発揮するメカニズムの構築を加速する必要がある。

コメント:国務院発展研究センターの任興洲研究員は、「ここから下半期も引き続き不動産のコントロール政策を続けるとのシグナルが伝わってきており、引き続き投機的需要を抑制し、不動産分野での『デレバレッジ』を堅持し、隠れた金融リスクを取り除き、バブルの蓄積を防止する必要がある。これと同時に、不動産の長期にわたり効果を発揮するメカニズムと基礎的制度の構築を強化し、居住用不動産ニーズと住み替えのニーズを支え、賃貸住宅市場の発展に力を入れ、不動産市場の健全な発展を促進する必要がある」との見方を示した。

▽第6のシグナル:外資と民間投資の安定をはかる

上半期に、中国の民間投資の伸びは回復したが、増加率は鈍化したままだった。同時に、実行ベース外資誘致額が連続のマイナス成長となった。下半期はどのようにして有効な投資の増加率鈍化の流れを断ち切ればよいだろうか。

会議での見方:外資と民間投資を安定させ、信頼感を安定させ、知的財産権の保護を強化し、外資の市場参入を拡大し、投資家に対するビジネス環境の吸引力を増強する必要がある。

コメント:商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院地域経済協力研究センターの張建平センター長は、「外資と民間投資はいずれも中国経済のモデル転換・高度化を推進する重要なパワーだ。私たちは市場環境の最適化に向けてたくさんの努力をしてきたが、引き続きさらなる改革開放の拡大を通じて吸引力を増強する必要がある。たとえば生産型サービス業、生活型サービス業、戦略的新興産業への参入のハードルを引き下げ、ネガティブリスト管理モデルを導入し、行政審査のプロセスを簡素化し、政策・法規の透明性を向上させることなどを通じて、民間資本と外資が中国経済構造の最適化に果たす役割をよりよく発揮させることだ」と述べた。

▽第7のシグナル:国民生活の業務を重視して雇用を積極的に促進する

上半期には、都市部の雇用者数が735万人に上り、前年同期比18万人増加した。下半期には、どのようにして流れに乗って力を発揮し、大学卒業生の雇用や生産能力と労働力の分散配置といった難しい任務に対処していけばよいだろうか。

会議での見方:国民生活の業務を重視し、雇用を積極的に促進し、困難を抱えた層を着実に支援して生産や生活の中で生じた困難・問題を解決する必要がある。

コメント:人力資源・社会保障部労働科学研究所の鄭東亮所長は、「雇用は国民生活の基本であり、困難を抱えた人々、困難を抱えた世帯の雇用実現を確保することは国民生活の保障における基本的な要求だ。過剰生産能力の削減、減税・費用削減などの措置を通じて、企業と実体経済の発展を推進し、既存の人材ニーズを安定させることができる。これと同時に新興産業を持続的に育成し発展させ、民間企業と小規模・零細企業の発展を支援し、雇用ルートを積極的に開拓していく。中国はすでに整った雇用政策を形成し、公共の雇用サービスシステムを絶えず改善しており、雇用促進効果がさらに顕在化するものと確信する」と述べた。(編集KS)

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