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教育にお金を惜しまない中国人、でも運命を変えるのはさらに難しい?

環球網    2017年7月11日(火) 15時10分

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「房奴」、「車奴」に続いて、近年、「孩奴」という言葉が新しく生まれた。資料写真。

「房奴」(住宅ローンを抱えている人)、「車奴」(自動車ローンを抱えている人)に続いて、近年、「孩奴」(子どもの生活や教育費用に苦しむ人)という言葉が新しく生まれた。この言葉は、中国での子育てがすでに高コストになった現実を示している。

このような高コストの問題は中国だけではなく、他国の保護者も同様に直面している問題だ。最近、HSBCが世界15カ国・地域で行ったアンケートによると、小学校から大学まで、子ども一人当たりにかかった費用は4.4万ドル(約500万円)に達したという。アラブ首長国連邦と米国を除けば、ランキングトップのほとんどは華人を主とする国と地域だ。香港の保護者は13.2万ドルの教育支出で世界第1位に立ち、シンガポール、台湾と中国大陸はそれぞれ7万、5.6万、4.3万ドルで第3位、第5位と第6位だった。

グローバル化が進んでいる現在、子どもに国際的な教育を受けさせたいと思う保護者が増えている。保護者のうち、子どもを海外の大学に通わせたいという人は4割。中国大陸と香港の保護者では、その割合が54%、53%とさらに高くなった。

子どもを留学させるなら、どの国が良いのだろう?アンケートを受けた保護者の中では、米国、オーストラリア英国などが留学先としての主要な目的地で、その割合はそれぞれ47%、40%と39%だった。周知のとおり、これらの国の教育レベルは世界でも右に出る国がないほど優れている。どのような種類の世界大学ランキングを見ても、トップ200に英国、米国とオーストラリアの大学は頻繁に見られるのだ。

資金投入と海外留学のほかに、子どもの将来の成功のために、82%の保護者はさらに自己を犠牲にする準備をしている。HSBCのアンケートによると、子どものためにすでに自分の時間を失ってしまったと示した保護者は31%で、また個人的な娯楽活動や休日を放棄した、または大量に減らした保護者は25%だった。さらに、香港と中国大陸では、その割合は37%と33%に上ったのだ。

「家庭教師大国」と呼ばれるシンガポールには「kiasui」という言葉がある。中国福建省の方言から生まれたこの言葉の意味は「負けるのが怖い」だ。この恐怖意識は競争圧力の増加につれてシンガポールでさらに強いものとなっている。保護者は子どもの成績を見つめながら、他人に遅れないよう子どもに幾つもの塾に行かせている。

成績と塾を重要視するほかに、得意分野を育てることで子どもの競争力を向上させることにも熱心だ。趣味への投資は家庭支出増大の主な原因となった。また、北京や上海広州の大都市では、大量なお金を使って「学区房」(学校付近の住宅)を買う保護者も大勢いる。子どもをスタートラインで負けさせたくないとの考えからだ。

このアンケートに参加した中国の保護者はほとんどが珠江デルタを代表とする大中都市からの人であり、経済状態の良い中間層および上流階級だと言える。子どもの教育に対する焦りと重視は彼らの不安を表している。保護者は自分より経済に余裕のある家庭に負けたくない。同時に、昇進ルートが少ない家庭背景にあっても、教育の投資で子どもに自分と同じ階層を保持させ、下流にならないと考えている。

人気ドラマ「小別離」(小さな別れ)にこのようなせりふがある。「あなたはトップ100位に入れないと、名門高校に入れない。名門高校に入れないと、名門大学に入れない。名門大学に入れないと、あなたの人生は終わりだ」。極端な考え方かもしれないが、中国の保護者の声を生々しく表現している。

特に貧しい家庭の子どもにとって、教育への投資は彼らの運命を変える最も可能性のある手段であり、ひいては唯一の手段と言えよう。しかし、社会階層が固まりつつある現在では、教育階層もさらに固まるようになっている。大都市では、子どもを英国か米国かに留学させることに悩んでいるのに対し、貧しい農村では、子どもが学校をやめて出稼ぎに行くかもしれない。(提供/環球網・編集/インナ、黄テイ)

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