人民網日本語版 2017年7月9日(日) 6時30分
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近年、日本で製造業に携わる企業が経営破綻するケースが相次ぎ、世界でかつて大きな勢力を誇っていた日本の製造業がどうして輝きを失ってしまったのだろうと、肩を落とす人も多い。
自動車用安全部品の大手メーカー・タカタが最近経営破綻したのを背景に、日本の製造業が注目の的となっている。近年、日本で製造業に携わる企業が経営破綻するケースが相次ぎ、世界でかつて大きな勢力を誇っていた日本の製造業がどうして輝きを失ってしまったのだろうと、肩を落とす人も多い。国際商報が報じた。
◆製造業の発展の足かせになっているものは?
近年、日本で製造業に携わっている老舗企業が相次いで経営難に陥っている。2009年、電機メーカー・パイオニアは経営難に陥り、中国の蘇寧電器が、「パイオニア」というブランド名を表示する権利を購入した。16年、シャープが巨額の負債を抱え、38億ドル(1ドルは約113円)で富士康(フォックスコン)に買収された。日本の多国籍コングロマリット・ソニーも低迷が続き、2008-15年度の累計損失が1兆1500億円に達した。
タカタは、品質の問題が発生した初の日本の自動車関係の企業ではない。16年4月、日本で5番目に大きな自動車メーカー・三菱自動車が、燃費データの改ざんを行っていたことが発覚した。そして、発覚から1カ月もしないうちに軽自動車メーカーで2番目に大きなスズキも燃費データの改ざんを行っていたことを認めた。
中国現代国際関係研究院日本研究所の副研究員・劉雲氏は取材に対して、「近年、日本で製造業に携わるメーカーの問題が多発している。その根本原因は、生産体制の整備の遅れと関係がある。日本の大手メーカーの生産スタイルや経営スタイルは非常に保守的で、イノベーション能力に欠ける。また、企業の規模が大きすぎるため、存在していても発見できない問題も多く、深刻な問題が発生、発覚するまで、上層部が正しく処理するのが難しいという点も、非常に重要な点」と指摘する。
また、タカタの経営破綻を例にして、「日本国内で、一社がエアバックの生産をほぼ独占していれば、トラブルが発生するのは必然的なこと。独占という行為は、業界全体の発展にとっては足かせとなる。世界の各業界の発展を見ると、開放された市場や競争のある環境がなければ、企業や業界の良好な発展は望めないということがよく分かる。日本の企業で問題が多発していることは、別の重要な問題も反映している。企業の滅亡を何が加速させているのだろう?これは、シャープの問題が発覚したことや今回タカタが経営破綻したことからその理由が分かる。日本の銀行が融資を続けることが難しくなると、関連の企業も助けを失うことになる。」と分析している。
そして、「日本が改善すべきなのは、企業自身の管理スタイル以外に、融資の問題もある。また、日本政府が、問題を抱える企業に対していかに効果的に管理と救済を実施するかも課題だ」と強調した。
◆タカタの経営破綻危機をどう脱する?
タカタの経営破綻は、自動車部品の製造を行う多くの下請け業者の業績悪化も招き、ひいては、日本の一部の地域の就職状況が明らかに悪化する可能性さえあると分析されている。実際には、タカタは、大部分の重要なクライアントを失ってしまうと同時に、ライバルである三大自動車安全システムサプライヤーのオートリブ、TRWオートモーティブ・ホールディングス、米国のキー・セーフティ・システムズ(KSS)にシェアを既に奪われている。さらに、日本企業がこれまでずっと誇りにしてきた日本現地のサプライヤー体系システムも打撃を受けている。
報道によると、タカタが経営破綻を発表すると、KSSは、タカタが全世界で保有する実質的に全ての資産と事業の譲渡を受けることで、基本合意に達したと発表した。売渡価格は約16億ドルで、シートベルトやチャイルドシートなどの事業を含む。双方は既に了解覚書に調印している。KSSは今後、関連の自動車メーカー14社と関連の契約を交わし、タカタのエアバックリコール問題のリスクを低め、今後も継続して注文を受けることができるようにする計画だ。
しかし、別の報道によると、最終的に契約にこぎつけることができるかは、デュー・ディリジェンスの結果と交渉次第という。また、世界の主な自動車メーカー14社に加えて、タカタの第三者委員会の合意が必要で、この買収劇の行方は流動的だ。
KSSのタカタ買収のニュースが明るみになって以降、KSSを傘下に収める中国の均勝電子(ジョイソン・エレクトロニック)も多くの人に知られるようになった。同社は16年2月に、60億元(約990億円)でKSSを買収した。
これまでずっと、世界の自動車工業は、日本、ドイツ、米国の三国がリードしてきたが、中でも日本の生態圏は最も閉鎖的だ。今回、子会社であるKSSがタカタのエアバック事業を買い取ったことで、中国企業が日本市場に進出する機会もできた。
ただ、劉氏は、「中国企業による買収、特に、中国本土の企業の買収に対する日本の警戒心は非常に強い」と指摘する。
日本は最近、両国関係を改善するための積極的なシグナルを発しているものの、劉氏は、「両国の関係を改善し、経済の分野におけるつながりを強化したいなら、中国と『一帯一路』(the Belt and Road)について話し合うだけでは不十分で、もっと多くの中国資本が日本国内の市場に進出できるようする可能性を探ることにもっと精力を注ぐべき」と指摘している。(提供/人民網日本語版・編集KN)
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