人民網日本語版 2017年6月10日(土) 0時10分
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中国で大学受験生にたい焼き配ってエールを送り続けている日本人がいる。
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「彼は路線バスから降りた後、シェア自転車に乗ってここまで来た。そして、私たちにたい焼きをくれた。本当にいい人だ」「あまり流暢ではないものの、中国語で私たちを励まし、体調に気を付けて、中国大学統一入学試験(通称『高考』)前は風邪をひかないようにと言ってくれた」。
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四川省成都市の玉林中学(中高一貫校)の高校3年の女子高生2人は5月31日、サプライズプレゼントをもらった。当時のことについて、興奮気味に話してくれた。2人にたい焼きを送ったのは、成都市で暮らしている日本人の天本龍司さんだ。成都版報が伝えた。
2015年から、大学入学試験の時期になると、天本さんは自分が作ったたい焼きをさまざまな学校の高校3年生にプレゼントし、親切であたたかい気持ちにさせてくれる成都の人々に「恩返し」している。
4年前、成都に旅行に来ていた天本さんは、友人のすすめもあり、思い切って同地に住んで小さな店を経営するようになった。中国版ツイッター・微博(ウェイボー)に、「成都で暮らしている日本人です。中国人に日本について紹介したり、中国について理解したりするのが好き」と書き込んでいる。現在、天本さんの微博には約1万人のフォロワーがおり、ネットユーザーからは親しみを込めて「龍お兄さん」と呼ばれている。
あたたかい気持ちにさせてくれる成都の人々に感謝を示そうと、天本さんは15年から、大学入学試験の前になると、受験生にたい焼きをプレゼントしている。今年5月27日、微博に、「来週、成都の高校の門の前で受験生にたい焼きを配る。受験生全員、万事がうまくいくことを願っている」と書き込むと、すぐに、たくさんのフォロワーがメッセージを寄せた。
天本さんは自分でたい焼きを作っているだけでなく、たい焼きの袋1つ1つに「がんばれ」、「自分を信じて」、「頑張って勉強しよう」、「毎日がんばろう」などと、励ましの言葉を書いている。
ただ、初めの2年は、たい焼きをプレゼントしようとしてもなかなかうまくいかなかったという。
「2年目の時はちょっと失敗だった。事前に学校の門でたい焼きを配ることを知らせていなかったため、誰もそれを受け取ってくれなかった。高校生に『変な人だ』と思われたに違いない」と天本さん。
「今年は事前に微博で知らせ、知り合いの学生の意見も聞いて、どの学校の高校生が一番喜んでくれるかを調べておいた。そして、その学校の高校生に前もって話しておいたので、学校の門に行くとすんなり受け取ってもらえた」。
今年は準備しておいたたい焼き30個全てを配り終えることができ、天本さんは大喜び。「本当は受験生みんなにあげたいのだけど、一人ではできることが限られている」と話す。
そして、「初めは友人と成都に旅行に来ただけだった。でも、なぜかここに住むようになった。成都の人たちは本当に親切で、救いの手を差し伸べるのが好き」と語る。
現在、天本さんは四川師範大学の東キャンパス近くでたい焼きなどを売る店を開いており、「大学生がよく買いに来てくれる。また、ささやかなプレゼントをくれる大学生もいる。プレゼントをもらった時は、実家がある三重県から持ってきたお土産をお返しにあげる」と話した。
「礼は往来を尊ぶ」というのが4年成都に住んでいる天本さんの作法であり、親切にしてくれる成都の人々への「恩返し」でもある。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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