フィリピン外相、中国との南シナ海領有権紛争「多国間で平和的に解決」「日中2カ国が争う東シナ海と異なる」―東京で記者会見

八牧浩行    2017年6月8日(木) 5時20分

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7日、来日中のカエタノ・フィリピン外相が日本記者クラブで会見。南シナ海を巡る中国との領有権争いについて、「地域の平和と安定を最優先に考える」と指摘。東南アジア諸国連合(ASEAN)・中国間の南シナ海行動規範に積極的に取り組む方針を示した。

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2017年6月7日、来日中のカエタノ・フィリピン外相が日本記者クラブで会見した。南シナ海を巡る中国との領有権争いについて「領土保全の目標は変わっておらずフィリピンの領土は明け渡さない」としながらも、「日本と中国が争う図式の東シナ海と異なり、南シナ海ではベトナム、マレーシア、中国、台湾、フィリピンと多くの国地域が領有権を主張し、重なり合う主張が行われている」と指摘。「東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のフィリピンとしては地域の平和と安定を最優先の目標としている」と説明した。

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その上で、同外相は「中国に対し対決姿勢を取れば、同じように埋め立てや修復をしている他国に対しても同様の対決姿勢で臨まざるを得なくなる。わが国も(島の)修復をしている。平和的に解決するための環境整備を関係各国で進めているところだ」と延べ、ASEAN・中国間の南シナ海行動規範作りに取り組む姿勢を強調した。南シナ海での紛争を防ぐための同行動規範は11月の首脳会議で合意する見通しとなっている。

このほか同外相は、予定していた訪日を取りやめたドゥテルテ大統領が託した「都合の良い時期に訪日できることを期待している」とのメッセージを紹介した。同大統領は過激派組織「イスラム国(IS)」を支持する国内グループ「マウテ」掃討のため、南部ミンダナオ島全域に戒厳令を布告した。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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