<コラム>このままでは日本の「観光立国」のアンバランスがますます顕著に!

秋澤 文芳    2018年3月28日(水) 19時50分

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2017年後半から年末にかけて3回ほど中国北部や南方地区へと足を延ばした。毎年開催される雲南省での旅游博に参加し、そして招待宴ではあ然とした!写真は中国の観光地。

2017年後半から年末にかけて3回ほど中国北部や南方地区へと足を延ばした。毎年開催される雲南省での旅游博に参加し、そして招待宴ではあ然とした!

昨年も日中間を往来すること6回であった。一度訪問すると約2週間から1カ月の滞在である。確かに2週間というのはあまりにも短すぎる。しかしここ最近はあえて「2週間」の滞在にこだわっている。というのも、2週間を超えると査証も必要になるが、現在、その査証取得のための旅券の余白頁が1枚もないからだ。

とにかく煩雑で面倒だと思う「海外旅行」であるが、あとでも述べるように査証の緩和も併せて働きかけてほしいものだと、つくづく感じる「中国」旅行の実態だ。

「訪日客をさらに伸ばす」ための最大の武器は「査証の大幅緩和」とも言われているが、今年はいよいよ訪日客3000万人超えが確実だ。この勢いは街中での訪日客の日常的な彼らの観光の様子をみてもまさに現実のものとなっている。

しかし、私自身も2005年から「もっと海外へ」、そして「海外旅行2000万人作戦」なる国も後押しをする一大キャンペーンなるものに関わってきたが、旅行業界をリタイアする2010年を前に大きな挫折感を味わうこととなった。

そして話は戻るが、昨年後半に業界の研修団に参加し、雲南省で開催された「旅游博イベント」時に出席した夕刻の招宴会のときではあるが、「まさか」…と思った。

この交流の宴には世界各国からも代表団が参加していたが、広い宴席会場の中で私たちの座席を探したがなかなか見つからなかった。

以前からこの種の交流宴席には何度か参加していたが、たくさんあるテーブルの中で、座るべきJapanのテーブルを、中ほどの通路を通りながら見渡したが一向に見当たらない。数人で見渡してやっと探しあてたほどだった。なんと最後尾だった。

いわゆる、中国における「日本の位置づけ」とはかつての勢いを失った、ということだと感じた。今や欧米や中近東、そして一帯一路沿線の国々が観光面でも力をつけてきたということだ(胸を弾ませながら臨んだこの日の宴席ではあったが、内心、がっかり…という思いも感じた)。

このままでは日本の観光立国政策もあまりにバランスを欠いている、と感じた1日でもあった。かつて私たちは「中国を訪問する外国人旅行者数のナンバーワンは日本だ!」と中国内では尊敬もされ、感謝もされていた。400万人近い訪中者数も今や250万人を割る時代となった。日本人観光客も全く消えた。

観光の面でも、貿易の面でも、やはり2国間では「双方向」での交流と発展こそが最も望ましいものだ。一方通行では何かと摩擦も生じる。この先、双方がともに満足できる本来の姿に早い段階で戻していきたいものだ。

■筆者プロフィール:秋澤文芳

東京(豊洲)在住。1973年千葉大学卒。日本旅行業協会を経て2010年より北京第二外国語学院大学旅游管理学部研究生として現在も在籍。工学院大孔子学院旅講師、東京都日中友好協会常務理事として交流促進。観光文化ツーリズム(株)代表として旅游企画・訪日インバウンドに取組む。

■筆者プロフィール:秋澤 文芳

東京(豊洲)在住。日本旅行業協会を経て2010年より北京第二外国語学院大学旅游科学学院研究生として現在も在籍。東京都日中友好協会副理事長・経済ビジネス委員会委員長。日中観光文化研究所、観光文化ツーリズム等の代表として旅游・訪日インバウンドやコンサル業務に取組む。

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