訪欧中国人観光客数、今年は延べ550万人の見込み―中国メディア

人民網日本語版    2017年4月12日(水) 21時40分

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中国観光研究院、華遠国際旅行社、携程旅遊はこのほど、国内初となる海外旅行市場細分化報告書「2017年訪欧中国人観光旅行すう勢報告」を共同で発表した。

中国観光研究院、華遠国際旅行社、携程旅遊はこのほど、国内初となる海外旅行市場細分化報告書「2017年訪欧中国人観光旅行すう勢報告(以下、『報告』と略)」を共同で発表した。報告によると、欧州観光は2016年、さまざまな客観的原因によるダメージを受けたが、中国人観光客による訪欧旅行は成長率6.3%を達成した。また、今年第1四半期(1-3月)の欧州への観光旅行は前年同期比103%増加した。このうち、東欧と北欧の成長率が最も際立った。人民日報海外版が伝えた。

〇第1四半期の成長率103%

英ロンドンの鉄道駅では、中国普通話(共通語)によるアナウンスが初めて増えた。また、仏パリの観光名所では、中国人観光客の保護を目的として警察力が強化された。中国人観光客は欧州各地でますます歓迎される傾向にある。

国家観光局の統計データによると、中国人の海外観光市場はこの10年間、全体的に高い成長率を維持してきた。昨年はさまざまな要因による影響を受け、欧州観光旅行の増加スピードはやや落ち込んだものの、依然として6.3%の成長率を実現した。昨年、欧州を訪れた中国人観光客は延べ513万人に達し、欧州を目的地とする観光市場の過去最高記録を更新した。今年第1四半期の欧州観光市場は前年同期比103%増を達成した。このうちパックツアー観光客は113%増と大幅に増加、欧州観光市場では割合が決して高くはない自由旅行客も同25%増加した。報告によると、これは、巨大なダメージによる影響を受けず、中国人観光客の間で引き続き欧州観光が支持されていることを表しており、欧州観光の伸び代がまだまだ大きいことを意味している。

中国でモバイルネットワークとスマートフォンによる決済が普及し、オンライン旅行プラットフォームで販売されている商品が、バラエティ性・コストパフォーマンス・簡便性のいずれの面でも優勢に立つにつれ、アプリやウェブサイトなどオンライン・ルートによる欧州ツアーの予約件数は100%以上の増加率を呈している。現在、携程旅遊の欧州ツアー商品は、国内外の旅行大手各社および大都市や中小都市からの出発を網羅しており、約1万5000種類の欧州ツアーがオンラインで予約できる。これらのツアー商品は、出発地でのツアー参加、目的地でのツアー参加、自由旅行、クルーズ旅行、遊学、カスタムメイド旅行、一日ツアーなどをカバーしている。今年第1四半期に携程旅遊を通じて欧州ツアーを予約した観光客のうち、モバイル端末による予約が6割を占め、この割合は前年同期比で大幅に上昇した。

〇北欧・東欧旅行が激増

今年第1四半期、増加スピードが最も速かった目的地トップ10をみると、北欧と東欧がトップ2を占め、欧州観光の新興市場としての急成長と飛躍が見て取れる。また、習近平国家主席が今年スイスを訪問したことと、中国・スイス観光年がスタートしたことで、スイスを訪れる中国人観光客の増加幅が大幅に上昇している。一方、英国旅行は同国のEU離脱によって英ポンドがある程度下落し、これが中国人観光客の訪英旅行にとって好材料となった。以前から人気が高いスペイン旅行やドイツ旅行も、増加幅は着実に上昇している。

欧州旅行の目的地都市は、中国人観光客にとって、好感と憧れの対象となっている。中国人観光客の間で最も人気が高い欧州トップ20カ国のうちトップ3は、イタリア・ドイツ・英国だった。ローマ、ロンドン、フランクフルト、パリ、バルセロナは中国人観光客に最も人気がある欧州都市だ。東欧のウィーン、プラハ、ワルシャワや北欧のアムステルダム、ヘルシンキも中国人観光客の間で人気が高い欧州の新興観光都市となっている。

現在、中国人観光客による欧州旅行は、多数の国を巡る従来の観光パターンから脱却して、クオリティと心地良さを追求する体験型中心の発展すう勢にだんだんと変わりつつある。例えば、1カ国あるいは2カ国だけを探訪するツアーが今年第1四半期にかなり目立ち、1カ国だけを訪れるツアーが前年同期比88%、2カ国周遊ツアーが同15%、それぞれ増加した。東欧市場の増加スピードがとりわけ顕著で、同97%と激増した。「高級欧州観光市場」としての立場を一貫している北欧は今年第1四半期、約20%の成長率を実現した。国内で氷雪観光ブームが起こったことも、北欧旅行ブームを後押しする一因となっている。

〇今後も増加する欧州観光

欧州を訪れる中国人観光客のうち、女性が65%を占めている。この傾向は、他の国々とは一線を画した大きな特徴となっている。これは、家庭・社会での中国女性の地位が高まり続けていることを意味しており、財務掌握力と自由度が大幅に改善されたことを示している。また、旅行を通じて見識を広める・学識を高める・品位を向上させることを女性が強く望んでいることの現れでもある。

現在、欧州を訪れる中国人観光客は、北京、上海広州深センなどの大都市の住民が主流で、全体の50%を占めている。増加スピードから見ると、大都市は依然として他の都市をリードしているが、中小都市住民の増加率も50%近くに達しており、大都市と肩を並べている。今年第1四半期、国内出発都市の統計データによると、上海・北京の両都市から海外に出発した旅行者の割合は全体の約80%に達した。欧州を訪れた中国人観光客の増加スピードが最も速い都市は深センで、南京、杭州アモイなどの新興出発都市の増加スピードも目覚ましい。中国人観光客の訪欧旅行により多くの便宜性とスピード性が提供されたことは、国内における訪欧観光市場の発展に対してさらなる刺激となった。

欧州観光の成長がここ数年続いていることから、中国人観光客の間で「現地集合」方式の旅行スタイルがだんだんと生じている。統計データによると、今年第1四半期、「現地集合」型ツアーは前年同期比200%増加し、ロンドン・パリ・ミラノ・レイキャビクの増加がとりわけ目立った。このような観光スタイルの今後の潜在力と市場空間は極めて大きいといえる。

このほか、子供を連れての欧州ファミリー旅行も年々増加傾向にあり、消費の潜在力が徐々に顕著なものとなっており、成長の見通しもかなり大きい。今年の第1四半期、欧州を訪れた未成年者の割合は前年同期比で4ポイント上昇した。

欧州観光は、間もなく年間のピークを迎える。市場における増加量は第2・第3四半期にピークとなる。報告によると、欧州観光の年間発展すう勢と国内の実情を総合的にみると、欧州を訪れる中国人観光客数は今年、前年比約10%増の延べ550万人に達する見通しという。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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