Record China 2017年1月7日(土) 7時10分
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中国海軍の初の空母「遼寧」が年明け早々、領有権争いが続く南シナ海で戦闘機などの発着訓練を繰り広げ、実戦能力を誇示した。「遼寧」は就役直後にささやかれた「張り子の虎」から進化したのか。
中国海軍の初の空母「遼寧」。昨年のクリスマス前後、東シナ海から西太平洋に抜け、台湾沖を経由して南シナ海までの遠洋訓練を行った。年明け早々には領有権争いが続く南シナ海で戦闘機など発着訓練を繰り広げ、実戦能力を誇示した。「遼寧」は就役直後にささやかれた「張り子の虎」から進化したのか。
中国メディアによると、「遼寧」は昨年12月中旬、母港の青島を出港。まず渤海、黄海や東シナ海で海上補給訓練のほか、艦載戦闘機「殲15」による離着艦や空中給油などの訓練を実施した。この中には実弾演習も含まれるという。
25日には、駆逐艦などを伴って沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通過して西太平洋に抜け、その後、台湾とフィリピンの間のバシー海峡から南シナ海に入り、年末に海南島の軍港に到着したとみられる。初の遠洋訓練だった。
領有権をめぐり、中国がフィリピンやベトナムなどと対立している南シナ海の訓練場所について、中国共産党中央委員会機関誌・人民日報や国営中央テレビは「某海域」としか触れなかった。訓練の様子は「殲15の発着艦および艦隊のさまざまな訓練を行った。艦隊は訓練計画を綿密に策定し、リスク評価をしっかりと行い、訓練計画を適時調整し、艦載機訓練を順調に行い、空母艦隊の戦力形成のために重要な経験を積んだ」などと伝えた。
「遼寧」は旧ソ連が設計して建造に着手した空母「ワリャク」。ソ連崩壊で建造が中断され、ウクライナに所有権が移った後、スクラップ化される運命だったが、中国が買い取った。遼寧省大連で改修し、12年に就役した。
米空母が艦載機を射出する際に使うカタパルトは搭載しておらず、艦首が反り返ったスキージャンプ方式で離艦する。このため、艦首を風上に向ける必要があるが、欧米の軍事専門家らからは「速度が米空母の30ノット以上に比べて遅く、艦載機が十分な揚力を得られない」「戦闘機がミサイルや爆弾などをフル装備して飛び立てない」などの見方が続出。「張り子の虎」とまで酷評された。
しかし、中国沿岸を離れ、外洋で出れば、米海軍や海上自衛隊、台湾海軍などのハイテク機器も駆使した監視の目にさらされる。能力の低さが露呈しては、足元をみられかねない。今回「虎の子」をお披露目したのは、「遼寧」がさらに改修などを重ね、空母として「完成形」に近づいたという中国海軍の自信の表れとも見て取れる。
中国国防省は昨年1月、中国初の国産空母が大連で建造されていることを公表。3隻目が上海で建造中とされ、将来は少なくとも4隻の空母を運用するようになるとの情報もある。人民日報系の環球時報は「将来的には東太平洋や米国の近海まで空母を常時展開し、米国が中国に圧力を加える形をひっくり返す」と強調している。中国海軍としては、国産空母開発のための科学研究や試験、訓練用とも位置付けられる「遼寧」の運用で得られた知見や経験を新造艦に反映。実戦能力を向上させていく狙いとみられる。(編集/日向)
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