ネット通販を利用する高齢者が急増、その悲しい理由―中国紙

人民網日本語版    2016年12月29日(木) 5時10分

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専用アプリをダウンロードする、商品を検索する、オンラインで決済する。ネット通販を利用する消費層が拡大するにつれ、高齢者の通販族は、もはや珍しい存在ではなくなった。

専用アプリをダウンロードする、商品を検索する、オンラインで決済する。ネット通販を利用する消費層が拡大するにつれ、高齢者の通販族は、もはや珍しい存在ではなくなった。さらに驚くべきことに、彼らは、ツアー団体購入や成人向け商品などオンラインショッピングで最先端商品の主力購買層となっているのだ。北京晩報が伝えた。

▼通販「本の虫」の高齢化が顕著に

若者が電子製品に「囲まれた」状況にある今、高齢者は通販での「本の虫」の主力層となっている。直販ECサイト大手「京東商城」が今年発表した調査結果によると、56歳以上の消費者がオンラインで書籍を購入する割合は、「90後(1990年代生まれ)」に比べて82%、「80後(1980年代生まれ)」に比べて42%、それぞれ高く、かつ、全世代の平均(38%)を上回った。さらに面白いことに、高齢者の間では、自分自身は学校を卒業してかなりの年月が経っているのだが、子供や孫に学習教材を買ってやることが流行している。彼らの児童書および小・中・高校教材の購買力は、全世代の平均より1割上回っている。

高齢者が、書籍のような伝統的商品をオンラインで頻繁に購入するだけはなく、通販サイトで販売されている流行最前線の目新しい商品もかなり購入している状況は、驚くべきことだ。京東商城の統計データによると、高齢者が今年海外旅行のために費やした金額は、2015年比167%増加した。また、国内旅行消費も大幅に増加した。国内ホテルの消費額は20倍、周遊ツアーや観光地入場券の消費額は3倍、それぞれ増加した。高齢者によるオンライン旅行商品の購入が激増したことで、関連商品のオンライン購入量も増えた。世界各地のビザ・言語に関する知識・トレーニング関連商品の高齢者による消費は、今年8.7倍増加した。

▼「ネット通販利用は必要に迫られて」

ECサイト大手各社のデータによると、高齢者は、最新流行の商品を異常なまでに偏愛しているが、彼らの消費品目のうち、トップは引き続き「食品・飲料」だった。北京の各コミュニティで開かれる朝市は、ほぼ全てが高齢者によって「陥落」状態となる中、オンラインで販売されている食品は、いかに高齢者の人気を集めているのだろうか?

息子が長期にわたり海外で仕事をしていたという斉さんは2人暮らしだ。夫婦はまだ揃って健康だが、大型商品を買うことには躊躇してしまう。夫婦が住んでいるマンションにはエレベータは設置されておらず、大きな物品を5階の自宅まで階段で運ぶのは大変な仕事だからだ。この前、斉さんは息子にネットショッピングのやり方を教えてもらったという。息子に助けてもらいながら、彼女は繰り返し注文と決済を練習した。「どうしてこんなにネット通販に夢中なの?」と息子から質問された時、斉夫人は、「必要に迫られたからに決まっているじゃない。あなたは家にいないし、重たい食用油や小麦粉を買って、一体誰が持ち帰るの?配達してもらう以外に方法はないわ」ときっぱり答えた。

北京天通苑に住むある高齢者は、ネット通販に夢中になったいきさつについて、次の通り語った。

「ネット通販を利用し始めたきっかけは、商品を配達してもらえて大変便利だったからだ。その後、ネット通販にはそのほかにも多くのメリットがあることが分かった。ネットショップイベントの時には優待価格があるし、スーパーには売っていない商品もネットで買うことができる。例えば、私は花を育てるのが大好きで、ずっとシュンラン(春蘭)が欲しいと思っていた。だが、北京にある鳥や花などが売っている「花鳥魚虫市場」では、売っているのを見たことがなかった。そこで、天猫モール(Tmall)で調べてみたら、シュンランが見つかった。そこで数日前、60元(約1000円)でシュンラン2株を買った。天猫では、正月用品イベントもやっていて、貴州の農家特製の唐辛子を入手できる。この特産品を味わってみるのは、最高の暇つぶしになる」。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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