北京初の「男性保護命令」が話題、法概念の変化を反映―中国

人民網日本語版    2016年12月11日(日) 17時20分

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北京市門頭溝区人民法院はこのほど、全市で初となる男性の人身安全のための保護命令制度を発表、世間の注目を集めている。写真は広西チワン族自治区南寧市民族広場で反DVに関する資料に目を通す市民。

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北京市門頭溝区人民法院(裁判所)はこのほど、全市で初となる男性の人身安全のための保護命令制度を発表、世間の注目を集めている。ある弁護士は、「これは、人々が結婚生活で揉め事に遭遇したとき、それを解決するために、暴力などの非理性的な手段ではなく、法的手段を求めるケースがますます増えていることを示している。つまり、法律に対する人々の考え方が変わりつつある」とコメントした。中国新聞網が伝えた。

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○北京初の「男性保護命令」

今年3月1日に施行された「中華人民共和国反家庭内暴力法(反DV法)」では、人身の安全を保護するしくみが初めて制度化された。それから9カ月後、北京はこのたび、初めて「男性保護命令」を出した。メディア報道によると、門頭溝区に住む張氏は、結婚後、夫婦喧嘩の際に妻の李さんから頻繁に暴力を受けたため、門頭溝区法院に人身安全保護命令を請求した。法院はこのほど、張氏の請求を認めて保護命令を出し、李さんに対して、暴力行為によって張氏に害を及ぼすことを止めるよう求めた。李さんが命令を守らず、その経緯が重大な場合には、刑事責任を問うとした。

○「保護命令」を申請する男性は「一人前の男」ではない?

従来の考え方では、DVの被害者と言えば女性だった。しかし、社会情勢の変化にともない、男性がDVの被害者になるケースもだんだんと増加している。とはいえ、現実の社会では、男性がDVの被害に遭っているという事実は軽視されがちで、被害者である男性の多くは、メンツを失うのを恐れて声を挙げることはしない。このため、人身安全保護を求める男性のDV被害者は極めて少ない。

このような状況について、一部のネットユーザーは、傍観者の立場から、「人身安全保護を求める男性は、一人前の男とは言えない」という考えを示している。その一方で、今回の申請を肯定的に見る人もおり、「より多くの男性が反DVの声を挙げるきっかけとなるだろう」と評価している。

張新年・弁護士は、「男性が人身安全保護を申請するという状況から、家庭内で雑多な争い事が起こった時、暴力など非理性的な手段ではなく、法的手段でそれを解決しようとする人がだんだんと増えていることが見て取れる。これは、人々の法律に対する考え方の変化を反映している」と指摘した。

数年前から、DVは人々が広く関心を抱く問題となっている。全国婦女連合会が以前に実施した調査結果によると、中国の2億7000世帯のうち、約30%の家庭でDVが起こっているという。

張弁護士はこれについて、「反DV法が施行されたことで、DVの予防・抑制に関して強力な法的根拠が得られた。同法は、男性・女性の区別なく、家庭の全構成員を平等に扱っている」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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